事例6

40歳 4,000万円のマンション購入を検討

単身女性のマンション購入、住宅ローンや物件選びはどうする?

40歳、年収500万円。中古マンション購入を検討

今回ご紹介するFさんは会社員の女性です。現在住んでいるワンルームが手狭になり、職場にも近く、もう少し広いマンションに引っ越したいとお考えです。広い賃貸物件に引っ越して、このまま家賃を払い続けて良いのだろうか?それとも購入した方が賢明なのか…と考え始め、1LDKなど単身向けのマンションを購入しようか迷っていらっしゃいます。

■ご家族構成
40歳女性(年収500万円)

■購入物件のご要望
安心できるセキュリティの整ったマンションで1LDKの築浅・駅近のマンションがご希望。物件価格の相場から教えて欲しいとのご相談です。

希望する物件の条件を満たすマンションの価格相場とは?

1LDKで少し広めのリビング、駅徒歩10分以内、築10年以内、通勤に便利な路線という条件で物件情報をお探ししたところ、第1希望のエリアでは物件価格4,000万円前後で希望に合う物件がいくつかあることが分かりました。また、都心からもう少し離れ通勤時間が15分長くなるエリアの物件になると3,000~3,500万円程度が相場になり、もう少し都心に近づくと5,000万円前後と価格帯もさまざまです。

1LDK 4,000万円のマンション購入でシミュレーション

では、Fさんが住環境も含め第1希望というエリアの相場の物件価格4,000万円でシミュレーションをしてみましょう。定年の60歳の後は雇用延長で65歳まで働く想定です。自己資金が1,000万円あり、そのうち300万円を購入時の諸費用、500万円を頭金として捻出します。そのため、借入額は3,500万円、返済期間35年間の変動金利とし、今回は当初10年間の返済金利は0.50%、11年後から10年ごとに0.5%の金利上昇を見込んでシミュレーションすることとします。

では、シミュレーション結果を見てみましょう。

購入する場合として物件価格4,000万円でシミュレーション

【グラフ①】年度別収支:購入(物件価格4,000万円)の場合

【グラフ②】金融資産残高:購入(物件価格4,000万円)の場合

上のグラフ①は年度別の収支を表したもので、横軸は年齢を表し縦軸は収支の各金額を表します。また、赤い折れ線が収入、色別の棒グラフが支出になります。色の内訳は大きくオレンジは生活費、その下のベージュ・茶色が税金・社会保険料、青が住宅ローン、ピンクが車の買い替えや旅行・リフォーム費用などの支出になります。
下のグラフ②は金融資産残高を表し、横軸は同じく年齢、縦軸は金融資産残高の合計を表します。つまり、0を下回ると赤字つまり資金ショートを起してしまいます。


購入時に諸費用や頭金などが大きな支出となりますが、定年を迎えるまでの期間は常に貯金ができる状態をキープしているので大きな懸念点はなさそうです。ただし、単身の場合は想定している収入を下回る状況になった場合、家計を共にする他の家族が不足分を補填するという選択肢はありませんから、病気や怪我で働けなくなってしまうケースや、転職や転籍などで収入が減る可能性もしっかりと考えておきたいですね。

住宅ローンの毎月の返済について考えてみましょう。現在、ワンルームの家賃8.1万円/月の物件にお住まいです。もし物件価格4,000万円のマンションを購入した場合、住宅ローンについては当初は9.3万円/月の返済になります。マンションですから他に管理費・修繕積立金が約2万円/月発生するのと、固定資産税・都市計画税もかかりますね。合わせて年間40万円程度みておきましょう。月々にならすと住宅ローンの返済と合わせて12.6万円になりますから、現在の家賃負担と比較すると、4.5万円/月支出が増えることになります。

賃貸に出す場合を想定してみましょう

このマンションを購入した後、環境が変わって賃貸に出すことになった場合を想定してみましょう。たとえば転勤、ご結婚して家族が増え手狭になる、あるいはご実家に戻るなどのケースが考えられますね。住宅ローンはご自身が居住することが原則ですが、やむを得ない理由と銀行が認めた場合は、そのまま住宅ローンの返済をしつつ、賃貸に出し所有し続けることが可能です。(該当するケース等は銀行にご相談ください)今回はその想定で考えていきましょう。

賃貸のままの場合でシミュレーション

次に、ずっと賃貸に住む場合のシミュレーションをしてみましょう。仮に購入で検討するのと同じ物件を賃借した場合はどうなるでしょうか。家賃13万円/月の物件に住み続けた場合のシミュレーションが下記になります。

年度別収支:賃借(家賃13万円/月)の場合

金融資産残高:賃借(家賃13万円/月)の場合

購入の場合に比べると、定年を迎えるまでの間は貯蓄ができる状態ですが、定年後は貯蓄を取り崩すようになりますので不安が残ってしまいますね。この場合、家賃を抑えた物件にしたり、生活費を抑えたりすることで収支を改善させる必要があるでしょう。

これからの住まいの選択はどうする?

購入する場合の予算設定、賃貸のままの場合の資金計画の比較ができ、Fさんはこれから先の見通しがクリアになり、何をポイントに住まいを選択すれば良いか納得できたとのお話です。購入するのは大きな決断で不安に思っていたけれど、ご自身のライフプランから考えて、納得して安心できる価格や条件でマンション購入を考えていきたいとの方向性になりました。

住まいと暮らしのコンシェルジュでは、提携するファイナンシャルプランナーと共に資金計画のシミュレーション(ライフ・プランニング)を実施しております。中立な立場のコンシェルジュと一緒に「無理のない予算」を見つけませんか。