2019年の目黒線 中古マンションの販売状況とは?
シリーズでご紹介している「2019年 マンション・戸建て販売状況分析」、今回は目黒線を取り上げます。
集計にあたっては、REINS Market Information(http://www.reins.or.jp/)等に記載の成約件数を抽出しております。
データは過去のものであり将来の不動産市況の変動等が予測されます。また、このデータ提供によりご利用の皆様の当該価格での不動産購入を約束するものではありませんのでご了承ください。)
沿線または駅ごとに取引されている物件の「広さ(専有面積/建物面積・敷地面積)」「価格帯」「築年数」「駅からの距離」について取り上げます。
取引実績の多い広さ(専有面積)とは?|目黒線|
単身以外の世帯を想定し、任意にて専有面積60㎡以上の取引実績をまとめたものが下記表です。
濃いオレンジの網掛けはその駅の中で最も取引件数の多い面積帯、次点は薄いオレンジの網掛けをしています。
目黒線は駅による取引件数の違いが顕著な路線といえます。路線内で最も取引実績件数が多いのは武蔵小杉駅でこれは駅周辺にある多くのタワーマンションの取引件数が影響しているものと考えられます。次点は日吉駅、目黒駅、元住吉駅でこれらの駅は50件以上の取引実績があります。それ以外の駅については1桁から20件台までと少なく、マンションよりも戸建て中心のエリアであることが窺い知れます。
■目黒線の専有面積|2019年取引件数|一覧表
この表をグラフにしたものが下記です。
積み上げ棒グラフは専有面積の該当件数を面積帯により色分けしたもので、赤が60~65㎡、カラーグラデーションで青に近づくにつれ面積帯が大きいものを示し、濃青が100㎡以上を示します。(座標上軸、単位:件)
グレーの折れ線グラフは各駅の中央値を示しています。(座標下軸、単位:㎡)
専有面積については、60~70㎡台の取引が多いものの、大岡山駅では最も取引件数の多い面積帯が90~95㎡、その次に多いのが100㎡以上と広い面積の物件の取引が多いことが目立ちます。この大岡山駅を除くと沿線内の中央値は大きな上下もなく、均一的といえます。
■目黒線の専有面積|2019年取引件数|グラフ
取引実績の多い築年数とは?|目黒線|
取引された物件を竣工年別に表したものが下記です。
■目黒線の取引物件 竣工年|2019年取引件数|一覧表
こちらをグラフ化したものが下記です。
積み上げ棒グラフは成約価格の該当件数を価格帯により色分けしたもので、赤が築5年以内の新しいもの、カラーグラデーションで青に近づくにつれ竣工年が以前のものになり、濃青が1959年以前を示します。(座標上軸、単位:件)
グレーの折れ線グラフは各駅の中央値を示しています。(座標下軸、単位:西暦年)
中央値を見ると、特に大岡山駅、田園調布駅は他の駅に比べ築年数が経過している結果になりました。これは、当該エリアにマンション物件やマンション用地が少ないことが起因していると考えられます。また、武蔵小杉駅の棒グラフにおいて、オレンジ色が目立つのは駅周辺のタワーマンションが影響していると考えられます。武蔵小杉駅周辺のタワーマンション竣工は2007年頃から始まりましたので、この傾向と一致します。
■目黒線の取引物件 竣工年|2019年取引件数|グラフ
取引実績物件 駅からの距離とは?|目黒線|
取引された物件を駅からの距離別に表したものが下記です。なお、徒歩とバス両方でカウントされている物件も含まれています。
目黒線は駅徒歩10分以内の物件の取引実績が多いことが分かります。主に徒歩圏の取引実績が多く、バス利用圏で実績数が目立つのは日吉駅です。日吉駅以外の駅はほぼ徒歩圏での登録になっていることは目黒線の特徴といえます。これは、東京都内の駅を中心に隣駅や他路線の駅との距離もそこまで遠くないことから、バス利用圏の登録が少ないものと推測されます。
■目黒線の駅からの距離|2019年取引件数|一覧表
取引実績の多い価格帯とは?|目黒線|
次に成約価格帯について探ります。価格帯別に表にしたものが下記です。
■目黒線の成約価格|2019年取引件数|一覧表
この表をグラフにしたものが下記です。
積み上げ棒グラフは成約価格の該当件数を価格帯により色分けしたもので、赤が1,000万円未満、カラーグラデーションで青に近づくにつれ価格帯が大きいものを示し、濃青が3億円以上を示します。(座標上軸、単位:件)グレーの折れ線グラフは各駅の中央値を示しています。(座標下軸、単位:万円)
棒グラフの推移で見ると、東京都内のエリアは黄緑~緑色が目立ち、神奈川県のエリアになると価格帯を抑えたオレンジ色がやや目立っています。中央値の折れ線グラフを見ると、全体的には目黒駅から日吉駅側に向かうにつれて、ゆるやかに値が低くなっていることが読み取れます。また、個別の要因としては、奥沢駅が値を押し上げていますが、これは実績数が少ないことによる偏りがあると思われます。また、田園調布駅については、築年数が他駅よりも経過している物件が多いこと、日吉駅はバス利用圏の物件が多いことが中央値の値を低くしている要因と考えられます。
■目黒線の成約価格|2019年取引件数|グラフ
取引実績の多い坪単価とは?|目黒線|
先にお伝えした成約価格を坪単価で表したものをご紹介します。
■目黒線の成約坪単価|2019年取引件数|一覧表
こちらをグラフにしたものが下記です。
積み上げ棒グラフは成約坪単価の該当件数を価格帯により色分けしたもので、カラーグラデーションで赤から青に近づくにつれ価格帯が大きいものを示します。(座標上軸、単位:件)
グレーの折れ線グラフは各駅の中央値を示しています。(座標下軸、単位:万円/坪)
成約価格のグラフで見られた傾向がより強く出ていると言えます。目黒線は全体的には目黒駅から日吉駅に向かうにつれ、坪単価は低くなる傾向があります。しかし、不動前駅から新丸子駅までの区間は取引実績数自体が少ないため、取引物件に偏りがあると影響されやすいことを認識しておきたいですね。
■目黒線の成約坪単価|2019年取引件数|グラフ
2019年の中古マンション販売データから目黒線の販売状況を探りました。次回は池上線を取り上げます。
なお、東急株式会社 住まいと暮らしのコンシェルジュの店舗では、データだけではお伝えできないエリアの特性やおすすめのポイントもご紹介させていただいております。もちろん、お客さまそれぞれのご要望に合わせて物件の購入や売却、住みかえなどのサポートをいたしますので、お気軽にご相談ください。ご相談お待ちしております。
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