不動産会社では、家やマンションなどの無料査定を行っています。不動産を無料で査定するという点だけを見れば、特に問題はないようにも思えますが、実はさまざまなトラブルが発生しているのです。
本稿では、不動産の無料査定で起こりやすいトラブル事例や、トラブルを回避するための対策について解説します。
不動産の無料査定はなぜお金がかからないの?
そもそも、なぜ不動産会社は無料で査定をするのか、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
不動産会社の主な収入源は、不動産の売買を成立させた場合の成功報酬である仲介手数料です。不動産会社は媒介契約を結んでくれる不動産オーナーを探さなければ、収入を得ることができません。
そのため、「無料で査定しますから、ぜひうちと媒介契約を結んでください」という営業をするために、不動産会社は無料査定を行っているのです。
不動産の無料査定でよくある5つのトラブル事例
不動産の無料査定はとても便利なサービスではあるものの、トラブルが発生しやすいというデメリットもあります。
続いては、不動産の無料査定で起こりやすいトラブル事例を5つ紹介します。
しつこい営業電話が増えた
不動産会社は、営業活動の一環として不動産の無料査定を行っています。
そのため、査定を依頼した不動産オーナーには、「うちと媒介契約を結びませんか」という営業電話が必ずと言っていいほどかかってくるでしょう。
査定額に納得がいかない場合はお断りをすれば済むものの、なかには毎日のようにしつこく営業電話をかけてくる不動産会社もあるようです。
査定額は高かったのに売れなかった
不動産の無料査定は、複数の不動産会社に依頼するケースが多いです。
そのため、他社よりも優位に立つために、あえて相場よりも高い査定額を提示する不動産会社も珍しくありません。
査定額が相場とかけ離れている場合、当然ながら、査定通りの価格で不動産が売れることはないでしょう。
結果的に複数回の値下げを余儀なくされ、「期待していた価格で売れなかった」というトラブルも起こりやすいです。
相場を無視した高額の価格設定をしてしまうと、なかなか売却できずに販売期間が伸びてしまい、購入希望者に対して「人気がない物件」という印象を与えかねません。
媒介契約を結ぶ際には、査定額だけを鵜呑みにせず、算出の根拠を提示してくれるなど、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
査定額を信じて相場より安く売ってしまった
高い査定額を提示してくる不動産会社がある一方で、その反対も起こりえるトラブルの一つです。
不動産会社が売却活動に時間や手間をかけたくないという理由から、相場より低い査定額を提示して、そのままの価格で売り切ってしまうという事例です。
不動産会社が提示する査定額を鵜呑みにしてしまうと、「本当はもう少し高く売却できたのに」と売却後に後悔する可能性もあります。
複数の不動産会社に査定を依頼したうえで、自分でも相場価格を調べておくと良いでしょう。
査定結果がなかなか届かない
確かに査定を依頼したはずなのに、査定結果がなかなか届かないというトラブルもよくある事例の一つです。
築年数が古い物件、立地が悪い物件など、売れにくい不動産の場合、不動産会社が敬遠し、査定をしないというケースもあるようです。
不動産の無料査定ということもあり、依頼する側としても催促しにくいと感じてしまいます。
査定結果が届かない、または査定を断られてしまった場合は、別の査定依頼先を見つけるしかないでしょう。
近隣住民に知られてしまった
不動産の無料査定を依頼すると、不動産の担当者がスーツを着用して訪問してきます。
訪問を伴わない「机上査定(簡易査定)」という査定方法もありますが、できるだけ早く売却したいなどの希望がある場合は、訪問査定を行うケースが多いです。
訪問査定の様子を近隣住民に見られてしまうと、不動産の売却を予定していることを悟られてしまいます。
近隣住民に知られたくない場合は、訪問査定の時間を指定したり、不動産会社の社用車を家の前にとめないで欲しいなど、要望をしっかりと伝えておきましょう。
不動産の無料査定でトラブルを回避する4つの対策
気軽に依頼できるように思える不動産の無料査定ですが、トラブルが起こる可能性を考えると、躊躇してしまうという方もいるでしょう。
不動産の無料査定で起こりやすいトラブルは、事前の対策によって回避することができます。
ここからは、不動産の無料査定でトラブルを回避するための具体的な対策方法を4つ紹介します。
査定の目的をはっきり伝える
不動産の無料査定後に営業電話がかかってこないようにするには、査定の目的をはっきり伝えることが大切です。
特に「査定だけで売却は考えていない」「今すぐ売るつもりはないが相場を知っておきたい」など、売却の意思がない場合は、その旨をはっきりと伝えることで、しつこい営業電話を防ぐことにつながるでしょう。
不具合や欠陥は隠さずに伝える
不動産の無料査定を依頼する際、不具合や欠陥は隠さずに伝えるようにしましょう。
後から発覚した場合は再度査定が必要になり、売却までに余分な時間がかかってしまいます。
また、不動産の欠陥については、売主に「告知義務」があるため、売却後に発覚した場合は売買契約を解除されたり、損害賠償を請求されたりなど、大きなトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
査定時に伝えるべき不具合や欠陥としては、以下のようなものがあります。
- 雨漏り
- シロアリ被害
- 給排水管からの水漏れ
- 近隣からの騒音や振動、自殺や事件があったこと
雨漏りやシロアリ被害などの物理的な欠陥については、修繕してから売却するのか、買主に告知して安く売却するのかを検討しなければいけません。
不動産コンシェルジュを活用する
不動産の無料査定によるトラブルを事前に回避するには、不動産コンシェルジュを活用するのがおすすめです。
不動産コンシェルジュとは、不動産会社の間に立って、中立の立場でアドバイスをくれる専門家のことです。
東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、不動産仲介会社での実務経験などを有する専門家が、お客様と不動産会社の間に入り、不動産の査定依頼を代行させていただきます。
不動産会社によって異なる査定結果の見方や、仲介を依頼する不動産会社の選び方などもアドバイスいたしますので、不動産を売るのは初めてという方も安心してご相談ください。
査定額に満足いかなかった場合のお断りも、コンシェルジュが代行するため、しつこい営業電話がかかってくることはありません。
信頼できる不動産会社を見極める
不動産の無料査定は、信頼できる不動産会社に依頼するのが一番です。
東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」なら、厳しい審査をクリアした提携会社のなかから、お客様の要望に合う不動産会社2~3社を厳選して査定依頼をさせていただきます。
不動産会社との打ち合わせにはコンシェルジュが同席することも可能ですし、査定結果の確認方法や比較検討方法、不動産会社の見極め方もアドバイスさせていただきますので、ぜひご活用ください。
不動産の無料査定はコンシェルジュに相談しよう
不動産会社が行っている無料査定は、あくまでも営業活動の一環です。
そのため、「無料だから」と軽い気持ちで依頼すると、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。
不動産の無料査定をお考えなら、まずはコンシェルジュにご相談ください。
東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、宅地建物取引士などの専門資格を持つ経験豊富なコンシェルジュが、お客様に最適な不動産会社をご紹介いたします。
店舗またはオンラインで無料相談を承っておりますので、ぜひお気軽にご利用ください。