住宅ローンが残っている家を売るには？売却方法や注意点を解説

家を売りたいと考えたとき、気になるのが住宅ローンの返済ですよね。

住宅ローンが残っている家も売却は可能です。しかし、ローンがない家と比較すると、売るときの手順や方法に注意しなければならない点がいくつかあります。

本稿では、住宅ローンが残っている家を売る具体的な方法や手順、注意点について詳しく解説します。

住宅ローンが残っている家を売る方法

住宅ローンが残っている家には、「抵当権」がついています。

抵当権がついたままの状態で家の売却はできないため、家を売るのと同時に住宅ローンを完済し、抵当権を外さなければいけません。

つまり、住宅ローンが残っている家を売るには、売却と同時にローン残債を返済できるかどうかを考える必要があります。

ここでは、住宅ローンが残っている家を売る方法として、具体的な流れや手順を解説します。

①住宅ローンの残債を確認する

まずは、住宅ローンの残債がいくらあるのかを確認しましょう。

住宅ローンの残債は、以下のいずれかの方法で確認することができます。

• 住宅ローンの返済予定表を見る
• インターネットバンキングのマイページを確認する
• 確定申告用の残高証明書を確認する
• 金融機関の窓口で確認する

住宅ローンを契約すると、金融機関から「返済予定表」が送付されます。紛失してしまった場合は、毎年送られてくる残高証明書を確認しましょう。

インターネットバンキングに登録しておくと、Webサイトやアプリから確認ができて便利です。

②家の売却相場を調べる

住宅ローンがどれくらい残っているかが分かったら、次は家がいくらで売れるのかを調べましょう。

不動産の売却相場を知る方法としては、全国のマンション、一戸建ての売却情報を掲載する「レインズ（REINS　Market　Information)」や国土交通省が提供している不動産情報サイト「土地総合情報システム」などを利用して、近隣の似たような不動産がいくらで売れているのかを調べたり、不動産会社に査定を依頼したりするのが一般的です。

レインズ（REINS　Market　Information)

土地総合情報システム

③ローン完済が可能かシミュレーションする

家の売却相場や査定額が分かったら、家を売った代金で住宅ローンの完済ができるのかどうかをシミュレーションしてみましょう。

家の売却代金で住宅ローンを完済できるケースを「アンダーローン」、家を売っても住宅ローンが残るケースを「オーバーローン」といい、それぞれその後の対応が変わってきます。

アンダーローンの場合

アンダーローンとは、住宅ローンの残債が2,500万円で家の売却価格が3,000万円など、家を売った代金で住宅ローンを全額返済できるケースです。

この場合、不動産会社に依頼をして手続きを進めていけば、問題なく売却が成立するでしょう。

ただし、住宅ローンが残った家を売る場合は、金融機関にも事前に相談する必要があります。

住宅ローンは、ローンを完済した後に抵当権抹消登記を行うのが基本の流れです。

「家の売却」「住宅ローンの完済」「抵当権の抹消」の3つを同時に行うというのは、本来の方法ではないため、金融機関にきちんと説明をして、承諾をもらう必要があるのです。

とはいえ、このような状況は決して珍しいことではありません。金融機関も慣れているため、過度な心配をする必要はないでしょう。

住宅ローンの繰り上げ返済手数料など、費用や手続きについて確認を行いましょう。

オーバーローンの場合

オーバーローンとは、住宅ローンの残債が3,000万円で家の売却価格が2,500万円など、家を売っても住宅ローンの残債が残るケースを指します。

家を売るには住宅ローンを完済して抵当権を外す必要があるので、オーバーローンの状態で売却を進めることはできません。


上記の例で言えば、差額の500万円については別の方法で返済する必要があります。

家を売っても住宅ローンが残る場合はどうする？

家を売っても住宅ローンが残るオーバーローンの場合でも、売却を諦める必要はありません。

ここからは、オーバーローンの具体的な対処法をいくつか紹介します。

ほかの資産を売却して返済する

家を売っても住宅ローンが残る場合、ほかに現金化できる資産はないかを確認してみましょう。

例えば、自家用車や有価証券などを売却して、ローン返済に充てるという方法もあります。

家を売った後も、税金の支払や引越し費用など、何かとお金は必要になるので、手元の預貯金はできるだけ残しておくほうが良いでしょう。

無担保融資を利用する

自力での返済が難しいと判断したら、差額分だけ無担保融資を利用するという方法もあります。

無担保融資とは、カードローンなどの担保を必要としない融資のことです。

住宅ローンより金利も高いので、長期返済には不向きですが、少額を一時的に借りるのであれば利用を検討しても良いでしょう。

住み替えローンを利用する

住宅ローンが残っている家を売る目的が「新しい家の購入」であれば、住み替えローンを利用するという方法もあります。

住み替えローンとは、住宅ローンの残債と新しい家の購入資金をまとめて融資してくれる金融商品です。

もちろんローンの残債は増えることになるので、無理のない返済が可能かどうかの検討が必要です。

住宅ローンが残っている家を高く売るには？

オーバーローンにならないためにも、住宅ローンが残っている家はできるだけ高く売ることが重要です。

ここからは、家を高く売るために知っておきたい3つのポイントを紹介します。

不動産会社選びが大事

家を高く売るには、仲介を依頼する不動産会社選びが重要です。

必ず2〜3社以上の不動産会社に査定を依頼したうえで、営業力や販売力に優れた不動産会社と媒介契約を締結するのがおすすめです。

家をきれいに見せる

当然ですが、汚い家よりもきれいな家のほうが、見た目の印象は良くなります。

ある程度の経年劣化は致し方ないものの、築年数以上の劣化や汚れが目立つ場合は、ハウスクリーニングを入れるなどして、きれいに見せる工夫をしましょう。

掲載用写真の撮り方にもこだわることが大切です。

専門家にアドバイスをもらう

少しでも高く家を売るには、専門家にアドバイスをもらうのも一つの方法です。

東急グループや特定の会社を優先しておすすめすることはなく、お客様のご要望に沿った会社を紹介いたしますので、安心してご相談ください。

住宅ローンが残っている家を売るときの注意点

続いては、住宅ローンが残っている家を売るときの注意点を紹介します。

売却にも費用がかかる

不動産を売却代金で住宅ローンを返済する場合、売却時に諸費用がかかることを頭に入れておきましょう。

不動産会社に支払う仲介手数料や印紙代、司法書士に支払う報酬や税金もかかるため、ある程度の預貯金を残しておくなど、資金に余裕をもっておくことが大切です。

売り先行がおすすめ

住宅ローンが残っている家を売って、新しい家の購入をする場合は、「売り先行」の住み替えがおすすめです。

売り先行とは、古い家の売却の目処がついてから、新しい家を探し始める方法のことを指します。

ダブルローンや家の維持費の二重負担を避けられるので、家計にも優しいでしょう。

税金対策を行う

住宅ローンが残っている家を売却して譲渡所得が発生した場合、売却金額によっては税金が発生します。

ただし、売却した家を自分の住宅として利用していた場合には、3,000万円の特別控除が利用できるので、忘れないように申告手続きを行いましょう。

住宅ローンが残っている家の売却はコンシェルジュに相談しよう

住宅ローンが残っている家の場合、基本的には売却前にローンを完済しておく必要があります。

まずは、住宅ローンの残債がいくら残っているのかを調べることから始めましょう。