家を売りに出したからと言って、すぐに買主が見つかるとは限りません。
実際に、1年以上売れない家というのも存在します。
家の売却にかかる一般的な期間は、不動産仲介の場合で3~6ヶ月、不動産買取の場合で1~3ヶ月です。
1年以上売れない家を売却するためには、原因を見極めたうえで、適切な対策を講じる必要があるでしょう。
本稿では、1年以上売れない家に共通する原因と対策について解説します。
1年以上家が売れない4つの原因
1年以上売れない家には、何らかの原因があると考えたほうが良いかもしれません。
まずは、売れない家にありがちな4つの原因について紹介します。
築古で老朽化している
家などの建物は、築年数が経過するほど老朽化が進みます。
そのため、当然ながら中古住宅市場では築浅の物件が人気です。
特に、築20年以上の家は売れにくい傾向にあります。
木造建物の法定耐用年数は22年なので、築20年を超える家はほとんど価値がないとみなされてしまうのです。
とはいえ、築20年以上の家はもう住めないかというと、そうではありません。
適切なメンテナンスを行うことでまだまだ住むことができるため、売れる可能性も十分にあると言えます。
しかし、あきらかに老朽化した家は、ほかの物件と比べて見劣りしてしまうため、1年以上売れないという状態に陥りやすいのが現状です。
不便な立地にある
築年数が浅いのに1年以上家が売れないという場合は、立地が原因の可能性もあります。
例えば、最寄駅から遠い、近くに小学校や中学校がない、病院がないなど、ファミリー層にとって住みにくい立地にある一戸建ては、どうしても需要が少ない傾向にあります。
内覧時の印象が悪い
内覧の希望者は多いのに、なかなか成約につながらないという場合は、家自体の印象が良くないということが考えられます。
特に、現在住んでいる家を売りに出している場合は、以下のような点をチェックしてみて下さい。
- 生活感が溢れ過ぎていないか
- 荷物が多すぎないか
- ペットの臭いがしないか
- タバコの臭いがしないか
- 水回りは綺麗な状態になっているか
実際に暮らしていると気づきにくいこともあるかもしれません。
不動産会社の担当者に相談しながら、改善点を指摘してもらうのもおすすめです。
不動産会社が販売活動に力を入れていない
1年以上家が売れない原因が、不動産会社にあるケースもあります。
不動産会社が積極的な販売活動をしていなかったり、営業力に問題があったり、そもそも中古一戸建ての販売を得意としていないという可能性もあります。
不動産会社の販売活動の状況についてはしっかりチェックし、問題がある場合は別の不動産会社に相談することも検討しましょう。
価格が高すぎる
当たり前のことですが、売り出し価格が相場よりも高すぎる場合は、売却完了までに時間がかかります。
売れないからといってすぐに値下げをする必要はありませんが、適正価格かどうかは不動産会社にも相談しながら、客観的な視点で判断するようにしましょう。
1年以上家が売れないときに試したい8つの対策
1年以上家が売れない場合、値引きを検討することももちろん大切です。
実際に、値引きをすすめてくる不動産会社も多いはずです。
しかし、売れない原因が本当に価格なのかどうかの見極めは必要です。
「値引きをしたのに売れなかった」という事態に陥らないためにも、まずは以下の対策を試してみてはいかがでしょうか。
ハウスクリーニングを入れる
内覧時の印象をよくするためには、室内やお風呂などの水回りを綺麗にしておく必要があります。
自力で掃除するのにも限界があるので、専門の業者にハウスクリーニングを依頼するのがおすすめです。
ハウスクリーニングは、1年以上売れなかった場合に行うのではなく、あらかじめ行うことでスムーズな売却活動につながります。
周辺環境の魅力をまとめる
駅から離れた不便な立地にある家でも、周辺環境にまったく魅力がないわけではないはずです。
「自然が豊か」「スーパーが近い」など、家の周辺環境の魅力をまとめて不動産会社に伝え、広告の内容を見直してもらったり、内覧者の対応時に直接伝えたりすると良いでしょう。
掃除や臭い対策を徹底する
住んでいる家は、空き家と比べると、どうしても生活感がでてしまいます。
今住んでいる家を売却する場合は、いつ内覧希望者があらわれても良いように、こまめな清掃や片付けをしておきましょう。
また、ペットを飼っている家やタバコを吸う方がいる家は、臭い対策を徹底する必要があるでしょう。
インスペクションを実施する
インスペクションとは、専門家による建物の現状調査のことです。
建物の劣化具合などについて専門家が詳しく調査してくれます。
「専門家が調査した家」ということで、他の物件と差別化ができるので、売却活動も進めやすくなるでしょう。
インスペクションは売り出し前に行うのがベストですが、費用がかかる点がネックです。
そのため、1年以上家が売れなかったときにインスペクションを行い、専門家のお墨付きをもらって価値を高めるというのも一つの方法です。
瑕疵担保保険を付ける
瑕疵担保保険とは、買主が中古住宅を購入した後に発覚した不具合について保証する保険です。
建物に不具合があった場合は、一定の範囲まで修繕費用を保証してくれます。
費用はかかりますが買主のメリットを増やせるので、1年以上家が売れないタイミングで付加価値として付けるのも良いでしょう。
不動産会社を変える
1年以上家が売れないなら、思い切って不動産会社を変えるのも一つの方法です。
不動産会社にはそれぞれ得意分野があるので、中古一戸建ての売却実績が豊富な不動産会社を探すようにしましょう。
価格を見直す
さまざまな対策を講じても1年以上家が売れない場合は、価格を見直す必要があるかもしれません。
周辺の物件の相場も調べながら、適切な価格で売り出しましょう。
値下げをするタイミングとしては、不動産の売買が活発に行われる1〜3月がベストです。
不動産買取も検討する
不動産仲介会社に依頼して1年以上家が売れない場合は、不動産買取を検討してみても良いかもしれません。
不動産買取とは、不動産会社に直接買い取ってもらうという売却方法です。
1~3ヶ月程度の短期間で売却できるのがメリットですが、売却金額は仲介よりも安くなるケースが多いです。
1年以上家が売れないときに注意したいこと
1年以上家が売れないと、何かしなければと焦ってしまうことがあります。
しかし、以下の点には注意が必要です。
空き家にする
1年以上家が売れないとき、「空き家にしたほうが売りやすくなるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
確かに、住んでいる家を売るよりも広く見えたり、内覧に立ち会う必要がなくなるといったメリットもあるため、空き家にするのも一つの方法です。
しかし、一戸建ての場合は特に、空き家にすることで一気に老朽化が進む可能性があります。
換気がされないことで湿気がたまり、カビや害虫が発生する原因となるからです。
また、掃除が行われなくなることで、ホコリがたまり、やはり害虫が発生しやすくなってしまいます。
1年以上売れない家を空き家にする場合は、定期的に換気や掃除を行うなど、メンテナンスをしっかりと行うようにしましょう。
リフォームする
トイレやお風呂などの水回りをリフォームすると、売りやすくなると考える方もいるかもしれません。
しかし、水回りのリフォームには高額の費用がかかります。
リフォームによって売却ができたとしても、費用がかかりすぎて赤字になってしまっては意味がありません。
売却予定の一戸建てであれば、リフォームをするよりもハウスクリーニングを入れたり、リフォームをしたと思って多少価格を下げるなどの検討をしたほうが良い場合もあります。
賃貸として貸し出す
1年以上売れない家は、賃貸物件として貸し出すという方法もあります。
賃貸にして毎月家賃収入が得られれば、売れずに放置するよりはずっと良いと考える方もいるでしょう。
ただし、一戸建ての場合、築年数や立地によっては、賃貸としての需要が必ずあるとは言い切れません。
また、一度賃貸契約をしてしまうと、すぐに売却をすることはできなくなります。
賃貸であれば需要があるのか、どんな条件で貸せるのかなど、不動産会社に相談しながら慎重に検討することが大切です。
1年以上家が売れないときはコンシェルジュに相談してみよう
1年以上売れない家の売却活動を、今後どのように進めていけば良いか分からなくなってしまったときは、専門家に相談するのも一つの方法です。
東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュサービス」なら、宅建士や建築士などの専門資格を有するコンシェルジュに、家の売却活動について相談できます。
例えば、本稿で紹介した対策のなかでも、どれを優先的にやるべきかなど、専門的な視点でアドバイスをもらえるのがメリットです。
また、200社以上の提携先から、お客様の要望に沿った不動産会社やハウスクリーニング業者を紹介することも可能です。
もちろん、東急グループ以外の企業の紹介も承ります。相談は無料なので、ぜひお気軽にご活用ください。