50代からの戸建てリフォームとは?暮らしを快適にするためのポイントや注意点を紹介

50代からの戸建てリフォームとは?暮らしを快適にするためのポイントや注意点を紹介

本稿の概要
・50代は、セカンドライフや老後の家族構成を想定しやすく、資金・時間・体力も充実しているため、リフォームに適したタイミング
・50代からのリフォームは工事が大規模になる傾向があり、かつ高額なローンを利用しづらいため、資金計画が重要になる
・50代からのリフォームではバリアフリー化だけでなく、間取り・設備の更新や、耐震性・断熱性の向上も検討したい

50代になると、セカンドライフや老後の生活を意識してリフォームを検討する方が増え始めます。あなたも「高齢になっても暮らしやすい家にしたい」「バリアフリーにしておきたい」とお考えではないでしょうか?

じつは、50代はリフォームを検討し始めるのに適した時期です。他の年代に比べて資金・時間・体力が充実していて、リフォームに取り組みやすいのです。50代の方は、この機会に検討してはいかがでしょうか?

本稿では、50代からのリフォームを成功させるためのポイントと、注意すべき点を詳しく解説します。ぜひ最後までチェックしていただき、セカンドライフと老後を快適に暮らすためのヒントにしてください。

50代からのリフォームとは?50代がリフォームの適齢期である理由

50代からのリフォームには《セカンドライフと老後の生活を見据えた重要な投資》という役割があります。そのため、単純な修繕や模様替えより、さまざまなポイントに着目して計画を進める必要があります。

また、50代は以下の理由で「リフォームに適した時期」とも言えます。

  • セカンドライフ以降の家族構成を想定しやすくなる
  • 比較的資金や時間、体力が充実している
  • 住宅の老朽化が目立ち始める

まずは、上述の項目について詳しく解説したあと、50代からのリフォームで着目すべきポイントをご紹介します。

セカンドライフ以降の家族構成を想定しやすくなる



厚生労働省が実施している人口動態調査によると、近年では25~34歳で第1子を出産している人が全体の過半数を占めています。

つまり、50代でお子さまが独立されるご家庭が多いと考えられます。そのため、50代は大きな家族構成の変化があり、その後の世帯人数が定まっていく時期と言えるでしょう。


一般的に、50代以降の家族構成は、以下のどれかに当てはまるのではないでしょうか?

  • シニア夫婦だけで暮らす
  • 親と同居する
  • お子さま世帯と一緒に暮らす

30代や40代で、上述のようなセカンドライフや老後の家族構成を想像するのは難しいでしょう。しかし、50代になれば、これからの家族構成をかなり想定しやすくなります。

セカンドライフ以降の家族構成を想定できれば、住居に対する具体的なニーズも生まれやすいでしょう。そのため、50代は《将来に向けたリフォームを計画するのに適した年代》と言えます。

比較的資金や時間、体力が充実している



50代は《金銭的余裕・時間的余裕・身体的余裕》の3つが揃っている時期です。

  • 金銭的余裕 ⇒ 子どもの教育費の負担がなくなる
  • 時間的余裕 ⇒ 子育てが終了する時期
  • 身体的余裕 ⇒ まだまだ体力が必要な作業にも取り組める

一方、60代になると上述の余裕は少しずつ失われていくのではないでしょうか?

  • 金銭的余裕 ⇒ 所得がピークをすぎる
  • 時間的余裕 ⇒ 親の介護など、新たな課題が増え始める
  • 身体的余裕 ⇒ 気力の低下や健康面の不安を感じ始める

リフォームは、楽しいだけでなく、大変な側面もあります。打ち合わせやショールームめぐり、工事中の仮住まいなどを乗り越えなくてはなりません。

60代や70代になると、徐々に大変な作業を乗り越えるのが難しくなる可能性があります。金銭・時間・身体的余裕があるうちに、セカンドライフや老後を見据えたリフォームをおこなうことが大切です。

住宅の老朽化が目立ち始める



住宅は、住み始めてから十数年経過すると、建物や設備の老朽化が目立ち始めます。50代は、ちょうど住宅の一次取得(初めての取得)から十数年たつ方が少なくないでしょう。

あなたのお住まいでも、以下のような不具合が出ていないでしょうか?

  • 換気扇や給湯器などの調子が悪い
  • 壁紙(クロス)が汚れたり剥がれたりしている
  • 外壁や屋根の塗装が劣化して、触ると白い粉が付く

住み始めてから十数年経過すると、お住まいに対して使いにくさや住みづらさも感じ始めているかもしれません。

たとえば、当初は大満足だった家でも、長年住んでいると暮らし方が変わり、間取りが合わなくなることがあります。家族構成が変わり、お部屋の有効活用ができなくなっているケースもあるでしょう。

他にも、耐震性や省エネ性などの性能にも不満や不安を感じているかもしれません。水回りの設備を新しいものに変えたいと考えている方も、少なくないでしょう。

住宅の老朽化は、快適性を損なうだけでなく、放置するとさらに大きな問題につながります。もしも、築後十数年が経過しているのなら、点検やメンテナンスを実施するのによいタイミングです。

住まいと暮らしのコンシェルジュでは、住宅のメンテナンス時期のアドバイスや、リフォーム会社のご紹介も実施しております。「家が古くなってきたな……改善したいな」と感じておられる方は、お気軽にご相談ください。

50代からのリフォームのポイントと注意点

つづいて、50代からのリフォームのポイントと注意点をご紹介します。

資金計画を実施しよう



50代からリフォームを検討する際、綿密な資金計画を立てることが重要です。なぜなら、50代からのセカンドライフと老後を見据えたリフォームには、以下のような注意点があるからです。

  • リフォームが大規模になる可能性がある
  • ローンを組めたとしても、融資額が限られる
  • セカンドライフ以降の生活資金を残しておく必要がある

セカンドライフや老後を見据えたリフォームでは、バリアフリー化や間取りの更新をともなうケースが少なくありません。工事の規模が大きくなり、予算も膨れがちです。

一方、50代からローンで大きなお金を借りるのは、現実的ではありません。おもに手元資金を利用しながら、その後の生活費に支障をきたさない範囲のご予算にとどめる必要があります。

以上を踏まえて、50代からのリフォームの資金計画では以下がポイントになるでしょう。

  • 将来的な生活費や医療費などを考慮する
  • リフォームに使える予算を明確にする
  • ローンを使う場合は、無理のない返済計画を立てる
  • リフォームの優先順位を考え、資金を効率的に使う

資金計画やリフォーム内容の検討にご不安を感じる方は、専門家にアドバイスを求めていただくと安心です。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、提携するファイナンシャルプランナーと一緒に、お客さまにぴったりの資金計画のご提案や、提携するリフォーム会社と一緒にご予算・ご要望に合ったリフォームをご提案しております。

「話を聞いてみたい」「具体的に相談してみたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。情報収集に役立つイベントやセミナーもご用意しています。

間取りを見直そう



50代は、家族構成が変化しやすい時期でしょう。セカンドライフ以降の家族構成を踏まえて、間取りを見直すことで、今より暮らしやすい家になります。

たとえば、セカンドライフ以降は子どもと一緒に暮らさないのであれば、子ども部屋の再利用方法を考える必要があるでしょう。親と同居するのであれば、1階に親の寝室を設けると一般的にはプライバシーや騒音配慮がしやすくなります。

また、身体機能の衰えやライフスタイルの変化を見据えた住環境の整備も求められます。例をあげると、こんなことを検討する必要があるでしょう。

  • 1階だけで生活を完結できる間取りにする
  • 家事動線を見直し、より暮らしやすい間取りにする
  • お庭も維持管理の手間がかからないようにしておく
  • 自分たちが趣味や活動を楽しむためのスペースを設ける

50代からのリフォームは、単に古くなった家を新しくするだけでなく、その後の人生をより快適で豊かにするための投資です。

間取りの見直しで、より自分らしく、そして安心して暮らせる住まいを実現できないか検討してみましょう。

設備を更新しよう



住み始めてから十数年が経つと、設備の老朽化によるトラブルが増え始めます。水回りの設備や給排水管、換気システムなど、使用頻度が高いものほど不具合が起こりやすい傾向にあります。

これらの設備が劣化したままだと、日々の生活に支障をきたすだけでなく、修繕にかかる費用が大きくなっていきます。50代からのリフォームは、これらの設備の交換を検討するのによいタイミングです。

最新の設備は省エネ性能が向上しているため、光熱費の削減が期待できます。たとえば、高効率の給湯器や空調設備に更新することで、家計にも優しいリフォームが実現します。

快適で経済的な暮らしのために、設備の更新をぜひ検討してみてください。

バリアフリー化を実施しよう



50代をすぎると、体力や注意力の衰えを感じる方が増えます。50代からのリフォームでは、そのような衰えを考慮して、バリアフリー化を検討することが重要です。

具体的なバリアフリー対策をあげてみます。

  • 玄関やトイレ、お風呂などに手すりを設置する
  • 室内全体の床の段差をなくす
  • 少ない移動で済むように、家事動線を見直す
  • 開き戸を引き戸に変更する
  • 車いすの使用を想定して、廊下の幅を広くする
  • 滑りにくい床材に張り替える
  • 足元がよく見えるように照明を明るくする
  • 1階に室内干しスペースを設ける
  • 手すりの設置を想定して、壁に下地を入れておく
  • ヒートショック対策として、断熱性能を向上させる

高齢者になると身体機能が低下しますので、それを補えるようなバリアフリー化が求められます。とりわけ《転倒の危険性》をしっかり認識しておく必要があります。

令和4年国民生活基礎調査(厚生労働省)によると、高齢者の介護が必要となったおもな原因として、認知症や脳血管疾患(脳卒中)に続き、骨折・転倒が13.9%を占めています。

令和4年人口動態統計(厚生労働省)では、高齢者の転倒・転落・墜落による死亡者数が10,809人となっています。高齢者になると、転倒により亡くなるケースもあるのです。


50代からのリフォームでは、将来の身体の変化を見据え、しっかりバリアフリー化に取り組みましょう。そうすることで、安心して長く住み続けられる住まいを実現できます。

なお、バリアフリー化リフォームについては、介護や福祉の知識を持ったスタッフが在籍するリフォーム会社に相談できると安心ですから、依頼先を見極めることも大切です。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、バリアフリー化リフォームが得意な建築会社をご紹介することも可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

断熱性と耐震性を向上しよう



高齢になると、家庭内でヒートショックを起こすリスクが高まります。断熱性能を高め、お部屋ごとの温度差を小さくすると、このリスクを減らすことができます。

ヒートショックは、急激な温度変化による血圧の急変動で、心臓や血管に負担がかかる現象のことです。ヒートショックを起こすと、脳梗塞や心筋梗塞、さらには死亡事故につながる恐れがあります。

また、寒い家で暮らすと、認知症やさまざまな疾患のリスクを高めることも分かってきています。反対に、温かい家で過ごすと以下のような効果が期待できます。

  • 脳の血管へのダメージ軽減
  • 運動機会の増加
  • 活動意欲の向上
  • 睡眠の質の向上


日本は地震の多発国ですから、住宅の耐震性の向上も重要です。

高齢になると、地震の際に避難が遅れるかもしれません。家屋が倒壊等を起こさないように、しっかりと必要な耐震性能を満たす住宅にしておくことが大切です。

とくに、1981年5月以前に建築確認を受けた住宅は、古い耐震基準(旧耐震基準)で建築されている可能性が高いでしょう。

旧耐震基準は、震度6以上の地震を考慮していないため、古い耐震基準で建てられた家は《耐震診断》を実施するなどして状態を把握しておきたいところです。


住宅の断熱性と耐震性の向上は、快適で安全な生活を送るために不可欠です。

健康リスクや地震リスクを減らし、より安心して長く住み続けられる住まいを実現するために、これらの要素を考慮したリフォームを検討しましょう。

補助金制度を活用しよう



先述のとおり、50代からのリフォームは費用が高額になる可能性があるため、補助金を利用することも視野に入れるとよいでしょう。補助金を利用することで、経済的な負担を軽減できます。

補助対象になる可能性があるおもなリフォームは、以下のとおりです。

  • 耐震リフォーム
  • バリアフリーリフォーム
  • 省エネリフォーム
  • 同居対応リフォーム
  • 長期優良住宅化リフォーム

ただし、補助金制度はそれぞれ申請期限や工事時期等が定められています。また、申請期間内であっても予算に到達したものは終了します。活用を検討する際は、募集要項等をよく確認しましょう。

補助金制度は、以下の2種類に分かれます。

  • 国が実施する制度
  • 地方公共団体が実施する制度

国が実施する制度については、以下をご確認ください。


地方公共団体が実施する制度については、以下のサイトで検索できます。


リフォームを計画する際には、利用できる補助金がないか事前に調査しましょう。利用できるものがある場合は、忘れずに申請手続きをおこなってください。

まとめ:50代からのリフォームで悩んだらコンシェルジュへ

50代はセカンドライフ以降の家族構成を想定しやすく、比較的資金・時間・体力が充実している年代です。また、家の老朽化も目立ち始める時期であり、リフォームを検討・実施するのに適しています。

50代からのリフォームでは、バリアフリー化が気になるところでしょう。間取りや設備の更新も、検討したいところです。セカンドライフや老後の生活を意識して、しっかり計画を練りたいですね。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、50代からのリフォームのサポートをおこなっております。リフォームで心配やお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

私たちコンシェルジュなら、資金計画やリフォーム内容の検討、そして工事業者選びまで、中立の立場でフォローできます。あなたも、私たちと一緒にリフォームを成功させてみませんか?