屋根修理の飛び込み営業に注意 - 悪質な手口や対処方法を紹介

屋根修理の飛び込み営業に注意 - 悪質な手口や対処方法を紹介

本稿の概要
・屋根修理の悪質な飛び込み営業が、年々増加傾向にある
・飛び込み営業はその場で契約せず、冷静になってから判断することが大切
・悪徳業者の手口を知っておくと、だまされにくくなる


国民生活センターに寄せられる「屋根工事の点検商法」に関する相談が、増加し続けています。「無料点検」や「近隣で工事をしている業者」と称する悪質な飛び込み営業が、あとを絶たないのです。

突然訪問してきた業者を、簡単に屋根に登らせてはいけません。下で話を聞くのが鉄則です。名刺をもらい、所属を確認しましょう。説明に不明点や疑問点があれば、徹底的に聞く姿勢が大切です。

本稿では、屋根修理の「悪質な飛び込み営業の手口」や対処方法をご紹介します。突然の訪問に困惑されている方や、どうすればいいのか分からなくなっている方は、ぜひ参考にしてください。

屋根修理の飛び込み営業に注意!対処方法は?

冒頭でご紹介したとおり、屋根工事の悪質な飛び込み営業が増加し続けています。

このような事態を受けて、国民生活センターがトラブルにつながりやすい勧誘トークの情報を公開しています。屋根修理の飛び込み営業の対処に困っている方は、参考にされるとよいでしょう。


さて、実際に屋根修理の飛び込み営業を受けたら、どう対処すればいいのでしょうか?
5つの対処方法をご紹介しましょう。

1:その場で返事せず、冷静になってから意思決定をする



飛び込み営業を受けたら、その場で返事せず、冷静になってから意思決定をしましょう。不誠実な業者は、冷静な判断力を奪うためにせかしたり焦らしたりしてきますが、早まってはいけません。

たとえば、こんなトークでそそのかしてきます。

  • 急がないと、瓦が落ちて周りに迷惑をかけますよ
  • 早くしないと、雨漏りして大事になりますよ
  • 今なら、安くできますよ
  • キャンペーンは、今日までですよ

国民生活センターに連絡した方の多くは、焦ってその場で契約してしまい、あとから冷静になって考えたときに「おかしい」と不安になって相談しています。

ですから、上述のようなトークで焦らされたら、とりあえず断ってもいいくらいです。飛び込み営業はすぐに契約せず、慎重に検討しながら進めましょう。

善良な営業マンのように感じたとしても、いったん見積りだけもらっておきましょう。そのあと、他の業者にもきちんと調査してもらい、相見積りを取ったうえで比較検討するとよいでしょう。

2:悪質な手口の事例をチェックする



悪質な手口を知っておくと、トラブルを防ぎやすくなります。国民生活センターの相談事例や、自治体が公表している「行政処分事業者」の情報をチェックしてみましょう。


悪質な業者の典型的な手口は、以下のとおりです。

  • 巧妙なトークで点検を持ちかける
  • 不具合を指摘して、不安をあおり、契約を迫る
  • 指摘した不具合以外の修繕も、次々と勧誘する
  • 消費者が望んでいない工事や、相場より高い工事を契約させる
  • 代金を振り込ませ、未着手のまま姿を消すこともある

とりわけ、自然災害時工事現場の周辺は狙われやすいです。ご注意ください。


自然災害時便乗商法や点検商法が急増する。「屋根の点検をおこなっています」「放っておくと危ない」等のトークをされると、受け入れてしまいがち。
工事現場周辺工事を請けている会社の社員になりすます。「近くで工事をしていて、お宅の屋根が剥がれているのが見えた」などのトークで近づいてくる。


マジメそうに見える人を使って、飛び込み営業させるケースも少なくありません。これは、ハロー効果を利用しています。

ハロー効果とは、顕著な特徴に引きずられ、評価をゆがめてしまう現象のことです。たとえば、外見が優しそうな人に「この人は信頼できる」と感じてしまうケースが、ハロー効果と言えます。

本来、人の外見と中身は別であり、必ずしも一致しません。見た目で判断しないようにご注意ください。

3:リフォームの知識がある人にアドバイスを求める



知り合いに瓦ぶき工事会社(瓦屋根の場合)や板金工事会社 (金属屋根やスレート屋根の場合)、あるいは建築会社リフォーム会社の従事者がいる場合は、相談してみましょう。

知り合いに上述の従事者がいない場合は、東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」にご相談ください。適切な意思決定ができるように、サポートいたします。

すでにトラブルが発生している場合は、消費者ホットラインリフォーム・紛争処理支援センターに連絡してみましょう。住宅のリフォーム工事に関するトラブルや、工事費用等に関する相談を受け付けています。

それぞれの電話番号は、以下のとおりです。

  • 消費者ホットライン:188(局番なし)
  • リフォーム・紛争処理支援センター:0570-016-100

4:断る必要があるなら、シンプルな言葉で断る



断りたいときは、なんと言って断ればいいのでしょうか?―― 効果的なのは、シンプルに「契約しません」「お帰りください」と伝える断り方でしょう。

たとえば、以下のような断り方はよくありません。再び訪問する口実を与えてしまいます。

  • 今のところ必要ないです
  • 検討しておきます
  • 今は忙しいです

百戦錬磨の営業マンは、何を伝えても切り返してきます。ですから、以下の断り方もそれほど効果がありません。

  • 飛び込み営業はお断りしています
  • 知人に工務店がいます
  • 必要ありません

営業マンが食い下がる理由は、ノルマを課せられているからです。完全歩合制で給料が支払われているケースも、少なくありません。ですから、売らないわけにはいかないのです。

断る際は、他に解釈の余地がないくらいシンプルな断り方がよいでしょう。たとえば、先述の「契約しません」です (契約を断ったのに再勧誘する行為は「特定商取引法 第3条の2」違反)。


「お帰りください」もそうです (帰らなければ「刑法 130条」の不退去罪に該当)。


ただし、怒ったような態度や声の調子で断るのはおすすめしません。逆恨みされかねませんので、笑顔でサラッと伝えるのがよいでしょう。

玄関先まで出ないのも、ひとつの防御策になります。インターホン越しで話すようにして、玄関まで出てきて欲しいと頼まれても「用件を教えて欲しい」と伝えるとよいでしょう。

5:契約してしまったら、クーリング・オフ制度を活用する



契約してしまったあと「なにかおかしい」と感じたら、どうすればいいでしょうか?

そんなときは、クーリング・オフを利用しましょう。クーリング・オフとは、一定の期間であれば、無条件で契約の申し込みを撤回したり契約を解除したりできる制度のことです。

飛び込み営業等の「訪問販売」の場合は、申込書面または契約書面を受け取った日から起算して8日以内ならクーリング・オフ制度を利用できます。


クーリング・オフに関するご相談は、最寄りの消費生活相談窓口や警察署の生活安全相談係、あるいは以下の窓口で受け付けています。

屋根修理の飛び込み営業が、悪質かどうか見分ける方法

飛び込み営業がすべて悪質かと言えば、そんなことはないでしょう。中には善良な営業マンもいます。では、どうやって悪質な営業マンと善良な営業マンを見分ければいいのでしょうか?

見分け方を3つご紹介しましょう。

口コミや行政処分歴をチェックする



突然営業マンが訪問してきたら、名刺をもらうか、会社名を確認しましょう。会社名でWeb検索して、口コミや行政処分歴をチェックするとよいでしょう。

ただし、この方法には欠点もあります。じつは、口コミは買えます。お金を払ってアルバイトによい口コミを投稿してもらっている業者もありますので、参考程度に留めておくことをおすすめします。

また、新しい法人を設立することで社名も変えられます。実態は同じ法人でも、行政処分を隠すために社名や代表者を変えて再営業していることも考えられますので、ご留意ください。

よくある営業トークや手口と照合する



先述のとおり、悪質な業者がよく使う営業トークや手口を覚えておくと、トラブルに巻き込まれにくくなります。

国民生活センターの相談事例や自治体が公表している「行政処分事業者」の情報を確認して、あなたの家にやってきた業者の言動が似ていないか、チェックしてみてください。

たとえば、以下のような一連のトークは、悪質な業者が使う典型的なトークです。慎重に対応されたほうがよいでしょう。
  • 「近所で工事しているので、挨拶に来ました」
  • 「屋根瓦がずれている(板金が浮いている)のが見えました」
  • 「よかったら、無料で点検しましょうか?」
  • 「このままでは瓦が外れて、ご近所に迷惑をかけますよ」
  • 「今なら材料があるので、安くできますよ」


以下も、悪質な業者が使う典型的な手口ですので、ご注意ください。国民生活センターの注意喚起情報にリンクしておきます。


近年、ドローンで撮影したという写真を見せてくるケースもあります。ご自宅の写真ではない可能性がありますので、ご注意ください。

「火災保険で自己負担なく直せる」と言ってくるケースも増えています。不具合が経年劣化の場合は保険金が出ない可能性が高いですので、詐欺の可能性があります。ご用心ください。

契約後に工事をキャンセルしたときの違約金について、きっちり説明されないケースも多発しています。契約書をよく確認して、違約金の項目をチェックしてください。

相見積りを実施して、相場を確認する



相見積りは、さまざまなトラブルの回避に役立ちます。複数社の見積りを比較すれば、異常を見つけやすくなります。

たとえば、以下のような不正は、相見積りで露見しやすくなります。

  • 不自然な工事項目が入っている
  • よく分からないサービスが入っている
  • 工事代金が高すぎる、あるいは安すぎる
  • 大幅値引きで、安くなったように錯覚させる
  • あるべきアフターフォローがない

突然訪問してきた営業マンが見積りを出してきたら、その場で契約せず「相見積もりするから、返事を待って欲しい」と伝えましょう。

昨今、さまざまな工事で相見積りが当たり前になっています。相見積りを嫌がる業者は、断っても問題ありません。複数社の見積書や提案内容を比較したうえで、慎重に選びましょう。

知っておこう!修理が必要なサインとは?屋根材別に紹介

ご自宅が雨漏りしているなら、それは修理が必要なサインです。家の骨組み(構造)が傷む前に、修繕してください。

これからご紹介する症状も、点検や修理が必要なサインです。放置していると、雨漏り等の大きな不具合につながります。

また、飛び込み営業を引き寄せ、点検の口実に使われるケースもあります。ですから、早めに対処することをおすすめします。

まずは、瓦屋根の修理が必要なサインです。

  • 棟瓦のゆがみ
  • 瓦の割れや欠け
  • 瓦のズレや脱落
  • 漆喰の崩れや剥がれ
  • 瓦を固定する銅線の緩み

つづいて、スレート屋根やセメント屋根の修理が必要なサインです。

  • 屋根材の割れや欠け
  • 屋根材の色褪せや塗膜の剥がれ
  • 苔や藻、カビの繁殖
  • 棟板金や固定クギの浮き
  • 棟板金の色あせやサビ(腐食)

最後に、金属屋根の修理が必要なサインです。

  • 屋根材の浮きや剥がれ
  • 屋根材の色褪せや塗膜の剥がれ
  • 屋根材のキズやサビ(腐食)

ときどき、屋根を見上げてみてください。上述のサインを見つけたときは、ぜひ、東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」にご相談ください。

よい解決策を、私たちコンシェルジュと一緒に探しましょう。

まとめ:屋根修理の飛び込み営業は、悪質な手口に注意しよう

飛び込み営業がすべて悪質とは言えません。しかし、悪徳業者が飛び込み営業を多用していますので、消費者としては用心せざるを得ないでしょう。

突然、屋根修理の営業マンが訪問してきたら、その場で契約してはいけません。悪質な手口の事例と照合したり、相見積りを取って比較検討したりして、提案内容の妥当性をチェックしましょう。

ご不安な場合は、国民生活センターやお知り合いの建築業界従事者などにご相談ください。東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」でも、ご相談を受け付けています。

住宅のリフォームは、複雑難解で、一般の方には分かりづらいことが多々あります。おひとりで悩まず、ぜひ信頼できる窓口にご相談ください。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」なら、建築士や宅地建物取引士などの資格を持った住まいの専門家がご相談に乗ります。豊富な知識と経験をもとに、アドバイスさせていただきます。

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