これからの季節、豪雨対策や雨について考えてみませんか

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豪雨災害とオーバーフロー

街づくりをするときや家を建てる際、排水処理の問題は大切なポイントになります。排水には、生活で使用した雑排水、トイレの汚水、そして雨水があり、これらをどう処理するかを考える事が重要です。昨今、台風等で雨水がオーバーフローして、大変な災害が起きています。

通常、汚水・雑排水と雨水は分けて排水計画をするものです。汚水・雑排水の水量はおおよその予測ができますが、雨水は一挙に押し寄せるケースがあるため予測がしにくく、汚水・雑排水系統への逆流リスクを回避するために一緒に流す事はしません。最近の雨は雨量が増していますから、なおさら分ける必要があります。建築をするエリアによっては、建築確認申請は不要ですが、水道・下水道計画は提出しなければならないといった場所もあるぐらいです。私たちの生活の中で、水は一番身近で重要なライフラインだということをお判りいただけるかと思います。

雨水の排水は、公共下水道へつなげる場合と、宅内処理といって宅内に浸透桝を設置して自己処理する方法があります。最近は、コンクリート舗装部分が増えたことで自然浸透が少なくなり、なおさらに雨水が流れていく先がなく、雨水処理の量を確保するのがむずかしくなってきています。また、公園のような緑地がある場合は、その土が台風のような大雨の際に流れだしてしまい、結果的に排水口をふさいで、雨水の行き場がなくなってしまっているのも問題となっています。

都市における雨水の公共排水としては、治水計画(堤防や水路を用いて川を整備すること)が重要です。公共下水道があるところでは、下水道使用義務・水洗便所への改善義務もあり、他にもいろいろな施策が待たれます。しかし国土交通省や厚生労働省、環境省等いろいろな部署がかかわってくることもあり、なかなかその解決には時間がかかるのではないでしょうか。それでも自然災害は待ってくれません。各担当行政の迅速な調整対応が望まれています。

樋の役割とメンテナンス

では、自宅でできる雨水対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
戸建ての場合、一般的には雨水を受ける「樋」というものがついています。場合により、豪雪地帯の家や、広い庭の中にぽつんと一軒建っているような家ですと、雪ですぐ樋が壊れたり、枯れ葉で樋がつまってしまったりするので、樋を設置していないケースもありますが、一般的には切り妻屋根には2カ所、寄棟屋根には4方、片流れには1カ所、樋を設置します。

また、樋は家のデザインに合わせていろいろ工夫されてきており、すっきりとした屋根一体型タイプのものや、多くの色から選べる物、枯れ葉が入りにくい物など、さまざまな商品が選べるようになってきています。樋にごみや土などが入ったままにしておくと、蓄積したあげく藻や植物が生えてきたりして、家としてはメンテナンスがしづらい状態にもなります。

雨水は適切に受けて、適切に流す事が大切ですが、樋の受けにタンクを接続して雨水を貯め利用するといった考えもあります。こうして雨水をうまく貯めておくと、庭の植木の水やりや災害時の水として利用する事ができますね。一気に大量の雨が降って洪水になってしまうのは困りますが、私たちの暮らしに水はやはり必要ですので、一軒一軒の家でも上手に工夫しながら雨の処理ができると良いのではと思っています。短時間に大量の雨が降るゲリラ豪雨に見舞われることも増える中、住まいにとっても、今後ますます雨水の処理は重要な課題となりそうです。

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