「実家の片付け」セミナーで
先日鷺沼駅前店で『実家の片付けセミナー「カツオが磯野家を片付ける日」』を開催しました。
皆さんが知っている「磯野家」の30年後、かつて7人家族だった家も今はフネさん一人暮らし。7人分、半世紀分のモノの詰まった家を、モノを捨てられないフネさんにカツオが働きかけて片付ける、という著書が題材です。
コンシェルジュで沿線の方々を見続けて10年、高齢化、核家族化が進んでいることは切に感じるところです。高齢のお一人暮らしや高齢夫婦のみの世帯も多くなっています。またそんなお宅に伺うと、モノに埋もれるように暮しているケースも多く見受けられます。
目下私自身も、遠方にある高齢の母一人暮らしになった実家の片付けに頭を悩ます一人です。使っているものはほんのごく一部、使うあてのないものを母は捨てたがりません。
世代で価値観は大きく異なり、高齢の世代はモノを持つことイコール「豊かさ」。捨てるのはとにかく「もったいない」。なので、「捨てる」のは次の段階とし、まずは「使っているモノ」と「使っていないモノ」を仕分けて「使っていないモノ」を普段の生活スペースと違う場所へ移動させるだけでも良いそうです。
片付けは残された人への「マナー」
セミナーの中で印象に残る言葉がありました。
講師の渡部先生は3人兄弟、ご自身は娘さんが一人いるけれどほかの御兄弟は一人独身、一人は結婚しているけれどお子さんはいないそうです。将来娘さんは、母方の祖父母、父方の祖父母、親、叔母さん二人の家を片付けなければいけないかもしれません。さらに結婚して相手の親や親戚の家の処分もあったら、何軒の家を片付けることになるのでしょう??
考えてみると、私も二人兄弟、私には子供がいますが兄には子供がいません。
周りにも、3人兄弟だが子供がいるのは自分だけ、という知人や友人が複数います。
これが少子化ということなのでしょうね。
そして先生はこう仰っていました。自分の代に自分の家の片付けをしておくのはもはや「マナー」です。
いかに死ぬかはいかに生きるかということでもあります。
人生100年時代、高齢期が長いということです。多くの人にとって、老いは急にはやって来ず、たっぷり時間はあるはずです。
身の周りを整理しつつ、最期の暮らしまでを出来うる限り自分で計画しコントロールする、そんな意識を持ちたいと思います。