味わい深い日本建築
先日、山口県の知人のお宅に行ってまいりました。
敷地面積100坪の広い屋敷で、瓦屋根には特注のしゃちほこの飾が施されています。
6LDKのお家はお一人になった高齢の奥様にはとても広く掃除も大変なので、
訪問時には、感謝の思いを込めて精いっぱい掃除を手伝います。
ご主人の建てたお宅は、数寄屋造りの純日本建築。建具も欄間も細工が施されており
今このお家を建てられる職人はいるのかしら?と掃除をしながら当時の職人のこだわりに思いをはせます。
畳のお部屋の掃除方法を奥様に伺うと、お茶葉の出がらしを少しだけ乾燥させたものを畳にまいて
ほうきで掃くそうです。そうすることで匂いも取れて防虫駆除になると聞き
さっそくやってみました。良い香りがして足ざわりもサラサラに。なるほど、「昔の方の知恵」は素晴らしい。
白木の欄間は、繊細な彫刻が施されています。鴨居も長押も丁寧に拭き掃除をします。
床の間の違い棚や付け書院も手が込んだ細工が施されていますので丁寧に拭き掃除をします。
床の間も磨くと艶が出てくるものです。
書院造の座敷には面皮柱がつかわれており、いつまでも眺めていられます。
現在の建築では味わうことが難しい「職人の作品」を楽しむことが出来、木と対話をする大事な時間となっています。
温故知新
日本の建築は、夏の暑さに合わせて発展してきたものといわれています。
冬の寒さよりも高温多湿の日本独特の気候を過ごしやすく作られている日本建築は
風通しがよく、春夏秋冬四季折々を感じられる配慮があります。雪見障子や人の気配を感じられる障子から
差し込む光の柔らかさ温かみが、ストレスを軽減し、疲れを取り除く効果があるのだそうです。
掃除が大変で段差が多く、開口部箇所も多くセキュリティに弱いなど、現代にはなかなか難しい
部分の多い日本建築ですが、シンプルな現代建築よりも何か命を感じることが出来て私は大好きです。
掃除をしながら、「昔の方の知恵」や「職人の作品」に触れることができて、とても楽しい時間を過ごせています。
職人の技術や施主の想いが込められたものを容易に壊し新しくするだけではなく、古き良き住宅を生かしながらのリフォームを得意とする会社も多くなっております。
もし耐震がご不安ということでしたら耐震診断をされてはいかがでしょうか。
耐震には条件によりますが、市区町村からの助成金制度もございます。是非ご相談ください。