注文住宅の流れは?マイホーム購入の進め方や必要期間を徹底解説

注文住宅の流れは?マイホーム購入の進め方や必要期間を徹底解説

本稿の概要
・注文住宅の家づくりは複雑で、予算組みや建築会社選びなど、たくさんのステップを踏む必要がある
・注文住宅の家づくりは、土地から探す場合は1年以上、土地がある場合でも半年以上かかると考える
・家づくりの期間を短縮するには、期日の設定や専門家にアドバイスを求めることが有効

注文住宅を建てる流れは、非常に難解です。土地探しと建築会社選び、住宅ローン審査がからみ合うので複雑になります。あなたも「何から始めればいいの?」と不安になっていないでしょうか?

安心してください。基本的には不動産会社や建築会社の担当者が、適宜いつまでに何をするべきかを教えてくれます。とは言え、建築主もザッと手順や進め方を頭に入れておくほうが、スムーズに進行できるでしょう。

本稿では、注文住宅を建てる流れ期間の目安をご紹介します。最後までご覧いただくと、ぼんやりとしていた家づくりの全体像がクッキリ見え、安心して取り組めるようになりますよ。

マイホームを購入したい人必見!注文住宅を建てる流れと注意点

マイホームのことを考え始めると、ワクワクしてきますよね。しかし、家づくりは複雑なプロセスをともなうため、初めての人にとっては戸惑うことも多々あると思います。

ここでは、注文住宅を建てる流れ各段階で気をつけるべきポイントを、ステップに沿って解説します。理想のマイホームを手に入れるための参考にしてください。

ステップ1:予算を検討する



最初に踏むべきステップは、予算組み(資金計画)です。最近、あなたは大きな買い物をしましたか?そのとき、まず予算から決めたのではないでしょうか?

金額が大きい場合は、予算を決める前に買うものを選んだりしないですよね?予算をオーバーすれば、また選び直しになってしまいます。注文住宅の家づくりも、同じです。

家づくりでは、まず総予算(自己資金+住宅ローン)を明確にする必要があります。総予算が決まったら、以下の3つに予算を分配しましょう。

  • 土地予算
  • 建物予算
  • 諸費用予算

じつは、諸費用は「税金、手数料、登記費用、保険料」など、節約が難しい項目が少なくありません。ですから、最初に諸費用を確保しておくことが重要です。

そのあと、残りの予算を「土地」と「建物」に振り分けます。予算配分のポイントは、以下のとおりです。

  • 建物の性能を優先したい場合は、建物予算を優先
  • 住みたいエリアを優先したい場合は、土地予算を優先

たとえば、都市部にお勤めの方なら、多少建物予算を削ってでも利便性の高い場所の土地を買いたいかもしれません。一方、広めの家を建てたい方は、郊外で土地を探されるのではないでしょうか?

このようなバランス感覚を持つことが、予算オーバーを防ぐための第一歩です。家づくりを始める前に、だいたいの数字でもいいので、総予算とその配分を考えておきましょう。

とは言え「家づくりの諸費用って?」「住宅ローンは、いくらまでなら借りても安心?」という方も多いでしょう。そんな方は、東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」をご活用ください。

家づくりの知識が豊富なコンシェルジュや提携するファイナンシャルプランナーが、あなたの予算組みをお手伝いします。

ステップ2:希望条件の整理と家のイメージづくり



家づくりの予算が明らかになったら、次は「どんな家に住みたいのか」を明確にしていきます。目標となる理想の家のイメージを固めて、そこへ向かって歩き始めましょう。

このステップで必要なのは、家族みんなの希望条件を出し、整理すること。そして、希望条件を具体化するとどんな家になるのか、イメージすることです。

具体的には、以下のような作業を実施していただくとよいでしょう。希望の条件や、理想の住まいのイメージがハッキリしてきますよ。

  • 思いつく希望を家族みんなで出し合う
  • 住宅雑誌や建築会社のカタログを参考にする
  • 今のお住まいで困っていることをあげてみる

「こんな家にしたいな」と想像するのは、とても楽しいですよね。しかし、ここで注意していただきたいことがあります。

限られたご予算の中で、すべてのご希望をかなえるのはきっと難しいでしょう。ですから、ご希望には《優先順位》を付けておくことがとても重要です。

また、今だけを見て希望を出すのではなく、将来を見据えて検討することも大切です。

ステップ3:土地探し(土地がない場合)



ご予算や理想の家のイメージが固まってきたら、かなり家づくりの計画が具体的になってきたはずです。このタイミングで、土地を探し始めましょう。

土地探しでも、希望の優先順位付けが大切です。何が重要か、家族で話し合ってみましょう。たとえば、あなたのご家族にとって以下はどのくらい重要でしょうか?

  • エリア
  • 最寄り駅
  • 利便性
  • 資産性
  • 面積
  • 角地
  • 日当たり
  • 土地の向き(方位)
  • 前面道路の幅

希望条件に優先順位を付けながら、実際に売りに出されている土地を不動産情報サイトなどでご覧ください。おおよその価格帯が分かると思いますので、予算配分に問題がないか再検討してみましょう。

欲しい土地のイメージが固まったら、それを不動産会社に伝えて土地を探してもらいます。自分でも、インターネットで探したり住みたい町を歩いたりして、売り土地がないか調べてみましょう。


土地探しは、次の《建築会社選び》と並行して進めることをおすすめします。買いたい土地が出てきたら、気になる建築会社にも見てもらい、意見を求めてください。

建築会社は、建築の専門家の立場から法規制や土地の状態などを確認し、メリットやリスクを教えてくれます。意見の質から、建築会社の力量も推測できるでしょう。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」でも、資格を持つスタッフが、土地探しの疑問にお答えしております。以下の業者も、厳選してご紹介できます。

  • ご希望のエリアが得意な不動産会社
  • 一緒に土地の確認をしてくれる建築会社

業者探しを効率化したい方は、お気軽にご相談ください。


なお、土地はひとつとして同じものがありません。ですから、ライバルに先に買われてしまわないように、土地の購入はスピード勝負になります。

候補の建築会社にプランと見積もりをつくってもらい、住宅ローンの事前審査まで一気に進めましょう。事前審査で承認されれば、購入の申し込みができます。

ローンを利用して土地を購入する場合は、つなぎ融資を利用する方法、あるいは土地と建物のローンを別々に組む方法があります。

どちらの場合でも、建物のお引渡し前に返済が始まりますので、事前に資金計画をしっかり確認しておきましょう。

ステップ4:建築会社選び



建築会社を選ぶ際は、有力候補の会社を2~3社ピックアップして比較検討するとよいでしょう。

会社によって、得意分野が異なります。《あなたの要望を得意とする会社》を探してください。たとえば、3階建てにしたいなら、3階建ての実績が豊富な会社の中から選びましょう。

ちなみに、注文住宅を受注している会社の業態は、大別すると以下の3つに分かれます。

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • 設計事務所

それぞれの特徴をご紹介しておきましょう。

▼ ハウスメーカー



明確に定義されているわけではありませんが、全国あるいは複数の都道府県で営業している建築会社は「ハウスメーカー」と呼ばれています。

「大手」と言われる企業では、プレハブ工場で部材を生産する傾向があり、品質が安定しています。その反面、設計の自由度がやや低くなります。

ハウスメーカーは高価格帯の企業が多く、強いブランド力を持っています。また、アフターサービスが充実している傾向にあります。

▼ 工務店



ほとんどの工務店は、特定のエリアに絞り込んで営業しています。部材を現場で加工することが多く、設計の自由度や品質の職人依存度が高い傾向にあります。

価格帯は、ローコストからハイクラスまでさまざまです。アフターサービスはシステム化されていませんが、連絡が付けば営業時間外でも来てくれる等、小回りの利く会社が少なくないでしょう。

▼ 設計事務所



多くの設計事務所は、設計に特化して営業しています。ですから、高いデザイン性や設計自由度の高さが魅力です。一方、一般的に施工は請け負いませんので、別途建築会社に依頼する必要があります。

多くの設計事務所は、自社の設計やデザインを実現してくれる建築会社と協力関係を築いています。ですから、設計事務所から、そのような建築会社を紹介される流れになるでしょう。

ステップ5:間取りプラン・見積もり作成



有力候補の会社を2~3社見つけたら、次は間取りプランと見積もりの作成です。プランの提案力や見積もりの内容が、自分の希望に合っているかを確認しましょう。

2~3社にプランと見積もりを依頼して、それぞれの会社の提案の質や内容を比較することで、よりよい選択ができます。

このステップでは、現場見学会や完成見学会、住宅展示場への参加もおすすめです。実際の建物を見て、施工品質や職人の仕事ぶりなどを確認することで、建築会社選びの助けになります。

なお、住まいと暮らしのコンシェルジュでも、以下のお手伝いが可能です。

  • ご要望をかなえられそうな建築会社(ハウスメーカー・工務店)の紹介
  • 複数社のプランや見積もりを比較検討

自分にピッタリの建築会社を選びたい方は、ぜひご相談ください。

ステップ6:工事請負契約の締結



家づくりを任せる建築会社が決まったら、建築工事請負契約を結びます。非常に緊張する瞬間ですが、契約締結後は、大きな喜びと達成感を感じると思います。

契約の締結前に「契約書、見積書、設計図書、アフターサービス、瑕疵担保責任」などの内容をしっかりと確認し、不明な点は遠慮なく質問してください。

また、「約款 (やっかん)」と呼ばれる契約条項をしっかりと理解することも大切です。とくに、違約金や工期の延長に関する条項は、後々のトラブルを防ぐために必ず確認しておきましょう。

なお、建築会社によっては、頼めば事前に約款部分のコピーをくれます。難解な資料ですから、一読してから契約にのぞむと安心です。

ステップ7:詳細打ち合わせとプラン決定



工事請負契約の段階では、まだ間取り図のような簡単な図面しかでき上がっていないでしょう。ですから、契約後に詳細な図面や仕様書をつくっていきます。

とても大変なステップですが、家づくりで一番楽しいステップでもあります。打ち合わせ内容の例をご紹介しましょう。

  • 建物の高さ
  • 屋根のかかり方
  • 屋根仕上げ材
  • 外壁仕上げ材
  • 窓の配置や種類
  • 床材の選定
  • キッチンなどの設備機器の選定
  • コンセントの位置
  • 照明やスイッチの位置
  • 照明器具の種類
  • クロス(壁紙)の種類

詳細打ち合わせを経て建物の形や配置が決まったら、地盤の強さを調べる《地盤調査 (地耐力調査)》を実施します。地盤が軟弱な場合は、改良工事が必要になります。

建築確認申請もおこないます。建築確認は、建築計画が法令や規定に適合しているかを確認する行政の審査です。建築確認で承認してもらい、建築確認済証の交付を受けなければ建築できません。

ステップ8:着工~竣工



建築確認済証が交付されたら、いよいよ着工です。建物工事の着工前に、近隣あいさつ回りや地鎮祭をおこなうのが一般的です。以下の付帯工事も、着工前におこないます。

  • 解体工事(古家がある場合)
  • 水道引き込み工事
  • 地盤改良工事(必要な場合)

ちなみに、このような付帯工事が要らない土地を購入すると、家づくりの予算を大幅に下げられます。

つまり、建物が建っていない土地(更地)すでに水道が引き込まれている土地地盤の強そうな土地ですね。

建築工事が後半に差しかかったら「照明器具・エアコン・カーテン」の購入や火災保険、表題登記の準備を進めていきましょう。

ステップ9:引き渡し・入居



ついに、建物が完成し、引き渡しを迎える瞬間です。以下の作業を進めましょう。

  • 建築確認の完了検査
  • 施主検査
  • 外構工事(お庭や駐車場、玄関アプローチなど)

完了検査では、確認申請図面どおりに建築できているかチェックされます。合格したら検査済証が交付されます。

施主検査は、建築主が仕上がりをチェックできる検査で、建築会社が実施してくれます。じっくり確認して、問題があれば修正してもらいましょう。

お引き渡しでは、以下のことが同時におこなわれます。

  • 住宅ローンの実行
  • 建築代金の清算
  • お引き渡し
  • 所有権保存登記

引き渡しが終われば、いつでも引っ越しできます。

住み始めたら、継続してメンテナンスを実施していきます。不具合を見つけたら、建築会社に連絡して早めに対処してもらいましょう。

注文住宅を建てるのに必要な期間の目安

つづいて、注文住宅を建てるのに必要な期間の目安をご紹介しましょう。

各ステップの期間の目安



家づくり全体(スタートから引き渡しまで)でかかる期間は、スムーズに進めば、おおよそ以下が目安になります。

  • 土地なし:1年~1年半程度
  • 土地あり:半年から1年程度

各パートの期間の目安は、以下のとおりです。

  • 準備期間:1か月程度
  • 土地探し:1~3か月
  • 建築会社探し・間取り図と見積書作成・契約:1~3か月
  • 契約後の詳細図面・仕様打合せ:3~4か月
  • 建築工事:3~6か月
  • 引き渡し・引っ越し:1か月程度

これらの期間は、あくまで目安です。実際の期間は、建築主の状況や建築会社の進め方、建築プランの複雑さなどによって変わります。

とくに、土地探しや建築会社選びは、数年かかる方もおられます。ですから、家を建てたいと思ったら、余裕を持ったスケジュールを立て、1日でも早くスタートすることが重要です。

スケジュールを短縮するコツ



行動経済学によると、人間には「損失回避性」と呼ばれる性質があるそうです。ですから、ずっとリスク回避行動や決定の先延ばし(現状維持)行動を取ってしまいがちです。

家づくりにおいても「もっといい土地があるはず」とずっと土地探しを続けてしまう方や、なかなか依頼する建築会社を絞り込めない方が珍しくありません。

「私も時間がかかるかも?」と感じる方は、近年の不動産価格の推移をチェックしてみてください。上昇し続けているため、先延ばしによる損失リスクを感じてもらえるはずです。


期日を決めてしまうのも、有効です。引っ越したい時期を決めれば、自動的に建築会社の決定時期や土地の購入時期も決まってくるでしょう。

専門家にアドバイスしてもらうことも、期間を短縮する効果があります。迷って時間を浪費したり、失敗してやり直しになったりするリスクを大きく減らせます。

お忙しい方や、計画をスムーズに進める自信がない方は、ぜひ私たちコンシェルジュをご利用ください。適宜、ご要望の取りまとめやご希望に合った土地情報、建築会社をご紹介など、アドバイスさせていただきます。

まとめ:注文住宅の流れ(マイホーム購入の進め方)を予習しておこう

家づくりの流れは、非常に複雑です。土地探しや建築会社選び、そして住宅ローン審査を手際よく進めなければなりません。手順を頭に入れておくとよいでしょう。

なるべく早いタイミングで、相談しやすい専門家を見つけておくことも大切です。やるべきことが分からなくなったら、すぐにアドバイスを求めることができますよ。

私たちコンシェルジュなら、不動産や建築に精通しているだけでなく、中立的な立場から家づくりの進め方のご案内ができます。

家づくりの進め方が分からなくてご不安な方や、できるだけスムーズに計画を進めたい方は、東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」にお気軽にご相談ください。