前編ではこの10年で急速に普及したLED照明についてご紹介しました。これにより、以前は設置するのが難しかった場所へ照明を取り入れやすくなり、空間演出といった住まいの中で「照明を愉しむ」という考え方も定着しつつあると感じます。
また、従来は「照明はとにかく明るいものが良い」という考え方が強かったように思います。蛍光灯の普及で空間全体をはっきりと影なく照らすことが可能になり、これは勉強する場面や料理をする手元には適した照明と言えます。その一方で、均一に明るい空間ではなく、もっと違った雰囲気のある灯りが欲しいなと思う空間はありませんか?今回は「照らし方」にこだわった照明選びについてご紹介します。
関連するコラム
2021年、照明器具のトレンドは?【前編】LEDが普及して変わったこと
2021年、照明器具のトレンドは?【前編】LEDが普及して変…
在宅時間が長くなり、家をよりくつろげるようにしたいと思う方は多いのではないでしょうか。今回は前編・後編に分けて、住まい空間には欠かせない照明のお話をしたいと思います。
住まいの中で「明かり」は大きな役割を果たしていると思いませんか?もちろん、照明器具によって明るさを得ることが最も重要な役割ですが、最近は特に「空間演出」の役割が大きくなってきています。以前よりも住まいという空間が私たちにとって「生活を楽しむ」ためのものになり、「くつろぐ空間」という役割が求められるようになった変化を感じるのです。今回は最近のトレンドを照明コンサルタントの資格を持つコンシェルジュがご紹介します。
住宅照明の大きな流れとして、この10年程の間に一気にLEDが主流になりました。省エネ効果を取り上げられることが多いLED照明ですが、他にもさまざまな利点があります。
以前は蛍光灯や白熱灯など「○年したら電球や蛍光灯を交換する」のが当たり前でしたよね。LED照明は光源の寿命が従来の白熱灯等に比べて長いと言われており、寿命を迎えたら電球部分を交換するのではなく、住宅の設計時にはメンテナンスの目安として「器具ごと交換」という提案をするほどです。それにより、従来の「高い位置にある照明器具や、手の届きにくい場所にある照明器具は、電球の交換が大変!」という思いをもとに、ご自身で交換する頻度を考慮して器具の配置を検討したり選定したりする必要性は低くなりました。交換する手間を考慮しなくて良いようになったのは大きな変化だと思いませんか?
また、LEDはサイズがコンパクトで発熱量を抑えられることも大きな特徴です。例えば、壁を加工して設置する間接照明の場合、熱を逃がす空間を確保することが必要なのですが、コンパクトになったことで省スペースに納めることができ、かつ放熱スペースもそこまで必要ではなくなったため、更に設置できる箇所が広がったのです。
このようにメリットの多いLED照明が普及したことで、住宅設計においても照明デザインの自由度が上がっています。例えば「リビング空間の壁の一部に間接照明を設置したい」とリクエストをいただくと、以前なら、照明器具の周囲に電球交換作業を考慮したスペースを余分に確保したり、あるいはテレビやオーディオなど放熱する家電とは少し離して配置を考えたりする必要がありましたが、今はこうした制約がぐっと少なくなりました。
もちろん、LEDではない間接照明用の器具も従来からありましたが、高価でしたし家電量販店では販売されておらず、住宅用としてはあまりふさわしくなかったのです。それを思うと、今はクリアしないとならないような条件はほとんどなく、雰囲気のある間接照明を取り入れやすくなったと感じます。リビングの壁の一面をアクセントにして間接照明を埋め込む、玄関を入って目に付くところに照明で演出した空間を作る、高天井の天井面に照明を組み込むなど、さまざまなアイデアで素敵な空間が作れますよ。
昨年から続くコロナ禍の影響で、自宅で過ごす時間をより大切に、快適なものにしたいという傾向も強まっていると感じます。照明を考える際には、新しい技術にも注目して、より快適な住まいづくりを目指してみませんか。
次回後編では、「ペンダント照明の愉しみ方」というテーマでダイニングスペースの明かりをご紹介します。
2021/09/13
注文住宅2021/09/13
これからの照明器具の役割とは
照明器具を設置する際に「均一に明るいこと」「影を作らないこと」をポイントにする場面は多々あります。もちろん、デスクワークや勉強をするような執務空間では重要な要素なのですが、最近は「陰影をつける」「明るさの強弱をつける」ということを住宅に取り入れるケースが増えています。
最近のトレンドとして、ダイニング空間の演出が少し変わってきたようです。
ダイニング空間の照明というと、ダイニングテーブル全体を均一に明るくする、というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
そのような明るくはっきりとした空間よりも、最近は楽しんで食事をする場であり、そしてくつろぐ場でもありたい、と考える方が増えたように感じます。では、どのような照明計画となっているのかご紹介します。
照明は何を照らすもの?
今回は、ペンダント照明にフォーカスしてお話します。ペンダント照明には、電球など光源を覆う「シェード」と呼ばれる傘があることが一般的です。空間全体を明るくしたいのであれば、このシェードは透明なガラスなど透過性の高いものが好ましいのですが、風合いのあるアルミや鋳物、ホーローなど光を通さないものの人気が高くなっています。特にこれらの素材では、空間に馴染みやすいホワイト系ではなく、ダークグレー、ブラックといった色が人気です。このようなダークな色を持ってくると、空間が重くなりかねませんが、落ち着きを持たせる効果もあり、最近は「明るい空間」よりも「落ち着きのある空間」が好まれていることにも繋がる気がしています。
また、照明を計画する際に、ダイニングテーブルを均一に明るくするのではなく、中心部をスポットライトのように照らして「より明るい箇所」を作り、周囲と明るさの強弱をつける手法を用いることもあります。光の強弱をつけると空間に奥行や深みが出るのですが、こうしたスタイルは今まではレストランなど非住宅で採用することが多かったように思います。それが日常である住まいにも取り入れられるようになり、照明の役割が対象物を均一に照らすものから、空間を演出するものになってきたのです。
昨年から続くコロナ禍の影響で、自宅で過ごす時間をより大切に、快適なものにしたいという傾向も強まっていると感じます。照明を取り入れる際には、今までのスタンダードな手法の中に、少しトレンドを意識してより快適な住まいづくりを目指してみませんか。
関連するイベント
築30年を迎えたら「リフォームor建て替え」住まいの相談会
築30年を迎えたら「リフォームor建て替え」住まいの相談会
住まいのことで色々と気になることはありませんか?
巨大地震がいつ起きてもおかしくない状態と言われている中、「耐震補強」は万全ですか?
築30年程度経過した木造戸建て住宅は大掛かりな耐震補強が必要になるケースが多いと言われています。
他にも、30年前の構造では断熱が不十分で「ヒートショック」の危険性もあります。
また、「間取りが使いにくい」「水廻りを一新したい」などお考えではありませんか?
住まいと暮らしのコンシェルジュでは、リフォームか建て替えか、方向性に迷ったら両方のケースについて具体的なプランをご提示しますので、納得して検討を進めることができます。
この機会にご希望やお悩みをお聞かせください。
■ ご予約制
■ 無 料
■ 平面図や敷地図など、現状の分かるものをお持ちいただくと、より詳しくお話を伺うことができます。
▽ご相談例を紹介しておりますので、併せてご覧ください。