2月も後半になると気になる方も多い花粉症。私も花粉症持ちで、2月から5月頃までは苦しい日々を過ごします。現在、日本人の約4割が花粉症を発症しているとも言われていますので、たいへんな時代になりましたよね。ご本人が花粉症ではなくてもご家族や友人など周りにたくさん花粉症の方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、花粉症の症状の軽減を期待し「住まい」でできる対策を考えてみたいと思います。
住まいができる花粉症対策とは
住まい、つまり建物ができる最大の花粉症対策は、花粉を含んだ空気(外気)を室内に取り込まないことです。一般的な住まいの場合、エアコン、各部屋の換気扇、窓を開けての換気、玄関の開け閉めが外気流入の主な要素です。玄関の開け閉めには玄関扉を二重にするなどの方法がありますが、東京近郊ではなかなか取り入れにくいのが事実です。
では、それ以外の要素について考えてみましょう。
具体的な方法とは?
大がかりではなく部分的な改修で対策する場合は、高性能のフィルターが花粉をシャットアウトする換気扇に交換することが有効と考えられます。同様にエアコンも高性能なものを設置することも有効でしょう。
注文住宅や建替え、大規模なリフォームをする場合、空調システムを導入する、という方法があります。この空調システムの1つとして「全館空調」と呼ばれるものがあります。
全館空調とは?
これは個別の部屋に壁掛け式や天井埋込式で設置されている機器とは違い、家まるごとを1つの機器で集約する空調システムです。家のどこか1か所に設置した空調機器から各部屋に空気を送り、部屋からの排気も効率的に回収し循環させるシステムです。
そのため、外気は給気口1か所から取り入れられ、そこで高性能なフィルターを通過するため、花粉やホコリ・ハウスダストも除去してくれる、というシステムです。この全館空調の最大のメリットは家中の空気を循環させるため、住まいを均一な温度にしてくれることです。
しかし全館空調も良いことばかりではありません。例えば全館空調は常に稼働することが望ましいため、光熱費が一般的なエアコンの2倍近くになってしまうケースもあります。フィルター交換が一般的なエアコンよりも大変だと言われることも多く、また、制御している機械も耐用年数はありますから、交換の際は多額な費用がかかり選択できる機種も多くない等の懸念もあります。
実はこのシステムは最近できたものではなく、30年近く前から取り入れられていました。ちょうど日本がバブル景気の頃、高性能な空調システムとして高額帯の注文住宅などで多く採用されましたが、その頃は今ほどの技術もなく、機器のサイズは非常に大きく、機械室を設けたり、屋根裏スペース一杯にダクトスペースが必要であったりと制約も多かったのです。ここ10年以内くらいの間に劇的に技術が進化し、各ハウスメーカーが競い合ってよりコンパクトで高性能な機器が発売されている印象です。
他の空調システムとは
花粉症対策という観点で言えば、他の空調システムでも対応可能です。近年増えているのがエアコンと機械換気を併用する方法です。機械換気はいくつか種類があり、一般的には給気は自然給気で排気は機械の力で排出する第三種換気と呼ばれるものです。例えば、キッチンでレンジフードを稼働する場合、排気のみを機械で排出しています。これでは外気の花粉を除去しきれませんので、給気・排気共に機械の力を使って制御する第一種換気が有効と言われています。
各ハウスメーカーが推奨する空調システムとは
空調システムは、ハウスメーカーによって、見解に大きく相違があります。
個別のエアコンを推奨する会社も、全館空調を推奨する会社もあります。他にエアコンと機械換気を併用する方法であったり、特におすすめは設けず中立な見解の会社であったりとさまざまです。
コンシェルジュが提携するパートナー各社もそれぞれおすすめが異なります。例えば同じ全館空調であっても各社特徴が違います。ご家族構成や生活スタイル、間取りの計画によってもメリットが活かせるもの・活かせないものがあり、各社の特徴と照らし合わせてご自分に合う会社・システムを見つけていくことがポイントです。
コンシェルジュがお客さまのお話を伺った上で、ご要望に合ったおすすめの会社をご紹介させていただきます。ぜひお悩みのこと、お考えのことをお聞かせください。
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