花と緑のある住宅地

花と緑のある住宅地

皆さんは、お住まいの地域の様子をどのくらいご存じですか?自転車で遊びまわる子どもは広い範囲を知っていたりしますが、大人は狭い範囲しか知らないのではないでしょうか。

私は最近、自宅周辺の散歩をする時間が増えたことで行動範囲が広がりました。これまで、道を歩く目的は、最短距離で目的地へ移動することでした。例えば、通勤で駅まで歩くこと、買い物でスーパーやドラッグストアへ行くことなどです。
ところが、歩くことそのものを目的に変え、せっかく歩くのだから楽しく歩きたいとこれまで通ったことのない場所へ行くようになりました。自宅から半径2~3キロの範囲です。
いつも決まった道しか通らないと、「ここに道があるのは知っていたけれど足を向けたことが無い」という道がいくつもあるものです。どこへ通じるのか、不安と期待の入り混じった気分、子どもの頃のあの懐かしい探検気分を思い出しながら足を向けてみたところ、思いがけない発見がありました。

どの道を歩いても住宅沿いに必ず緑があり、花が咲いているのです。車の交通量がある程度ある道でも、車が入れない細い通路でも、行き止まりの路地でも、そこかしこに緑があり花が咲いています。まったく想像もしていなかった多くの緑が、住宅の庭やエントランスに育てられているのです。建物が敷地ぎりぎりまであっても、玄関脇のわずかな隙間にプランターがあったり、時には道路にはみ出してたくさん並べられていたりして、通る人の目を楽しませてくれます。道や建物が古いか新しいかは関係なく、少しでも空間があれば花を育てよう、という住人の並々ならぬ意欲ともいえる愛情を感じました。それは、そのまま暮らす地域への愛情でもあると思いました。

気持ちの豊かさは地域の安心

大きな道路や公園の樹木・花壇は、予算を決めて計画的に管理されているので、いつもきれいです。費用をかけて美観を維持しているのです。それに比べて、住宅の花や緑は個人負担、いうなれば趣味費用です。お金も手間もかかりますが、誰かに評価されるわけでもありません。気持ちに余裕がある暮らしでなければ、花を育てることはできないでしょう。道沿いの花や緑を通じて、その町に住む人の気持ちの豊かさが感じられると思います。

住人の方は、植物を育てて楽しみながら、それらを目にする地域の人も楽しんでいることを想像されていると思います。時には庭の緑を手入れしていて通行人との会話が生まれることもあるでしょう。通学路沿いでしたら、毎日通る子供たちと顔見知りになって挨拶を交わすようになるでしょう。高齢者の住まいでしたら、こまめに手入れされていた庭先の変化が体調変化のサインとなり、サポートにつながる可能性もあります。このように、花や緑があることは、道端のなにげないコミュニケーションが増えるきっかけになり、地域の安全にもつながると思います。住宅の周囲に花や緑が多い地域は、安心して暮らせる豊かさがあるのではないでしょうか。散歩は、自分の住む地域の良さに改めて気付くきっかけにもなります。住みたい町がある方は、積極的にその地域を散歩してみると良いと思います。

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目黒店

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