室内のインテリアを考える時、日本古来の行事に合わせた飾りつけを取り入れると、暮らしに張り合いが生まれ、季節の移ろいを感じることができます。
室礼(しつらい)とは・・・
「1月はお正月飾り」「2月は節分・豆まき」「3月は雛祭り」「4月はお花見」「5月は端午の節句」「6月は田植祭り」「7月は七夕飾り」「8月はお盆」「9月は十五夜」「10月は収穫」「11月は七五三」「12月は冬至」など日本には、季節に合わせた様々な年中行事があります。
こうした月々の出来事や人生の節目に、「季節のもの」を供えることを室礼(しつらい)と言います。
私たちの営みが太陽や星や風などの自然に左右されていた時代に、家族が健康で元気に暮らせることを先祖に祈りました。食物の豊穣を願い、生きていることへの感謝や喜びの心を込めて、供えたのです。
また、平安時代の宴や儀式の時(ハレの日)、寝殿造りの母屋(本屋)や庇(下屋)に、調度品を用いて室内を飾ることから生まれた言葉、とも言われています。
室礼(しつらい)の飾りをしてみましょう!
昔は、和室の床の間に季節に合わせた飾りつけが行われていました。暮らし方が洋風になったこの頃は、床の間のある室内は、珍しくなりました。
トレーやお盆を床の間に見立て、季節の野菜や果物を飾りましょう。千代紙や古典柄の端切れをトレーやお盆に敷くと、華やかな印象になります。
12月の冬至には、ビタミン豊富な南瓜、古くから赤い色が悪いものを追い払うと信じられ厄除け効果のある小豆や、寿命が長く病気に強い柚子を飾りましょう。
冬至は、北半球で太陽の位置が最も低くなり、一日の日照時間が一番短い日です。この日を境に再び太陽の力がよみがえります。私たちの生活も、冬至の日を境に運気が上昇し元気になると言われる喜ばしい日です。
現代のあわただしい毎日から心を解き放ち、人間の力が及ばない自然や宇宙に思いをはせ飾りつけをしていると、謙虚な気持ちが生まれてきます。
ゆったりした時の流れを感じるひと時があると、嬉しいですね。