住宅ローンは今後どうなるのか、変動金利?固定金利?どちらを選んだら良いのだろう、と様々なところで論議が繰り広げられています。
金利は金融政策等に大きく影響されます。今後の動きを正確に予測することは困難ですし、銀行のローン担当者に聞いてみても意見が分かれるところです。
最後に決断するのはご自身です!
判断材料になればと思い、今回は金利のメカニズムと金融政策との関係についてお伝えします。
金利のしくみ
変動金利は一般的に、毎年4月と10月に発表される「短期プライムレート」に連動しています。
銀行が優良企業に資金を貸し出す際の最優遇貸出金利のうち、1年以内の金利を「短期プライムレート」と言います。
短期プライムレートは、日本銀行(以下、日銀)の政策金利の影響に大きく左右されますので、日銀の政策の動きに注目しましょう。
固定金利は直近に発行された10年満期の利付国債の利回りが代表的な指標になっています。
国債とは国が発行する債券です。利回りが上昇すると長期金利が上がり、利回りが下がればそれに合わせて金利が下がります。
一般的に固定金利は、短期金利より早いタイミングで金利が上下します。変動金利のものを金利が上がってから固定に切り替えようとすると、固定金利はすでに上がっているということになりますから注意が必要です。
また、各銀行の金利引き下げ競争の激化も金利に影響を及ぼす要因となっています。「金利優遇幅」が徐々に拡大しています。7月にはジャパンネット銀行がトップクラスの低金利で住宅ローンに参入したことにより、ネット銀行は益々競争激化が予想されます。
金利の推移と金融政策
次に、これまでの金利の推移を振り返ってみましょう。
1980年代後半のバブル期に変動金利が8.5%を記録しました。バブル崩壊後は低金利時代を迎えることになります。
1985年から現在までを平均すると約4%弱になります。
その後は2006年3月、日銀による量的緩和政策の解除、同年7年ゼロ金利解除、2007年のサブプライムローン問題、2008年のリーマンショックに端を発した世界金融不況、2010年10月のゼロ金利政策の復活が主な出来事でした。
最近では2016年の日銀のマイナス金利政策がありました。経済の活性化を目的としていますが、この政策により結果住宅ローンの金利は過去最低と言われる水準まで下がったのです。
日銀が各銀行に融資する際の金利を政策金利と言います。政策金利は日本全体の景気動向を総合的に判断して決められます。
我が国経済は2012年11月を底に穏やかな景気回復が続いています。2013年1月に2%の物価安定目標を定め、その後も緩和的な金融政策が継続しています。
2019年4月に日銀が発表した見解では、日本経済の先行きは当面海外経済の減速の影響を受けるものの、2021年度までの見通し期間を通じて、景気の拡大基調が続くものとみられています。
国内需要も消費税引き上げなどの影響を受けつつも、きわめて緩和的な金融環境で増加基準をたどると日銀は見込んでいます。
しかし、この先何が起こるかわかりませんので、不透明感が強いのが事実です。
さて、お勧めはどちら?
これから住宅ローンをお考えの方は変動金利?それとも固定金利?どちらが良いのでしょうか。
これは、皆様それぞれのご事情や考え方にもより変わるものと思います。
借入金額が少なめで、生活に余力がある方は変動にされてはいかがでしょう。低金利のうちに繰り上げ返済をして早期完済を目指しましょう。
お子様の教育費がこれからかかる方、長期借入で借入金額が多い方は、今の低金利のうちに固定を選択するのも安心ですね。変動との金利差は、金利上昇リスクに備えた保険料と思えばよいのではないでしょうか。
かく言う私は、リスク回避の為に変動、固定を半々で組んでおります。繰り上げ返済をできるならばどちらを先にするか、悩ましいのですが個人的見解では、すぐには上がらないのでは?と予測し、金利の高い固定の方を先に返済してしまいたいと思っております。これも賛否両論です。
最後に
まずはご自身のライフプランを第一に考え、住宅ローンの基本的なしくみを理解した上で、日銀の金融政策に注目しつつ、ご判断されてみてはいかがでしょうか。
また、コンシェルジュでは住宅ローンを組む資金計画のシミュレーションをおすすめしております。提携するファイナンシャルプランナーと一緒に、固定金利・変動金利どちらがご自身に合っているのか検証してみませんか?